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「ビリケンさん」の台座に“THINGS-AS-THEY”


大阪・恵美須東に建っている通天閣の展望室には「ビリケンさん」とよばれる神さまの像が鎮座ましましています。

大阪を象徴する建てものである通天閣のなかにあるため、日本にゆかりのある神さまと思われがち。しかし、「ビリケン」は英語辞典で“Billiken”とも載っており、米国にゆかりのある神さま。

1908年、米国の女流絵描師だったフローレンス・プレッツが意匠した作品に由来します。その見た目が、第27第大統領ウィリアム・タフト(1857-1930)に似ており、タフト大統領の愛称「ビリー」(Billy)に、接尾辞「-ケン」(-ken)がついて「ビリケン」とよばれるようになったとされます。その後、シカゴの企業ビリケン・カンパニーが、像を作って売り、「幸福の神さま」として知られるようになっていったとのこと。

ところで、通天閣内の「ビリケンさま」像の台座には、“BILLIKEN”の一段下に“THINGS-AS-THEY”と刻まれています。これはなんなのでしょうか。むりやりに訳すと、「それらのようなものごと」といったことになりそうですが……。



じつは、正面からだと“THINGS-AS-THEY”しか字は見られませんが、横に回ってみると、“THE-GOD-OF THINGS-AS-THEY OUGHT-TO-BE”と刻まれています。

これは、「それらがあるがままのものごとの神」といった訳になるでしょうか。通天閣の「ビリケンさん」の公式サイトでは、本人が「直訳すると"万事あるがままの神"ということ」と答えており、「要するに全知全能の神様、ということですよね」とただされると「そこまでは言うとらんて」と謙遜しています。

フローレンス・プレッツが意匠したビリケンの絵にも、やはり“GOD OF THINGS AS THEY OUGHT TO BE”と書かれてあります。


プレッツが描いたビリケン(左)と、著述家マルグリート・マーティンが描いたフローレンス・プレッツ(右)

真正面に向きあうだけでなく、さまざまな角度から見て捉えることの大切も「ビリケンさん」は教えてくれているようです。

参考資料
ブリタニカ国際大百科事典「ビリケン」
https://kotobank.jp/word/ビリケン-121668
wikipedia“Billiken”
https://en.wikipedia.org/wiki/Billiken
ウィキペディア「ウィリアム・タフト」
https://ja.wikipedia.org/wiki/ウィリアム・タフト
幸運の神様ビリケンさん「ビリケンさん独占インタビュー」
http://www.billiken.jp/about/interview.html
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