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「伝えたい」という気もちをつくる

写真作者:clement.stenac

新聞、雑誌、ウェブニュースといった、不特定多数の人が読む記事では、「どれだけ多く読まれるか」が、その記事の価値尺度のひとつとなります。もちろん、多く読まれさえすれば、記事の価値が高まるといったものではありません。けれども、なにかを伝えることを目的とした記事がだれにも読まれなければ、記事の価値はないといえます。このことからすると、多くの人に読まれる記事には一定の価値があるといえます。

多くの人に読まれる記事をつくる方法に王道があるわけではありません。王道があるなら、みんなそれを実践して確実に多くのページビューを得ているでしょうし、出す本はかならずよく売れているでしょう。そうはなかなかうまくいくものではありません。

けれども、多くの人に記事を読まれるために、やっておいたほうがよいといった必要条件のようなものはありそうです。

そのひとつが、書く人が原稿をつくり終えるまでのあいだ、「この記事でこれを伝えたい」という気もちをつくっておくこと。気もちを高めるといってもよいでしょう。

記事をつくることを仕事としている人は、伝えたいことがあってその記事をつくっているのでしょうか。そういう場合もあるでしょう。でも、かならずしもそうとはかぎりません。伝えたいことがなくても「書いてと依頼がきたから」とか「つぎの締めきりが迫っているから」とかいったことで記事をつくることはあるものです。人によってはそういう場合ばかりかもしれません。

とはいえ、記事をつくるからには、多く読まれる記事をめざすべきもの。多く読まれて反響が高ければ、つぎの書く機会を得る可能性も高まります。

ですので、「書いてと依頼がきたから書く」とか「つぎの締めきりが迫っているから書く」といったときでも、「いまの自分の心のままに、やっつけに書く」のでなく、「伝えたいという気もちを、つくって書く」ことが大切になります。

では、そうした心をつくるにはどうすればよいのでしょうか。

原稿を書く段階よりずっと前にできることもあります。取材で相手の話を興味ぶかく聞く素ぶりをするのです。相づちを大きく打ったり、声を出してうなずいたり。意図的であっても、体がそのような反応をしていると、だんだんその話にほんとうに興味がわいてくることがあります。

原稿を書く直前にもできることがあります。いまから自分がつくる記事は、なにを伝えることにすればよいのか、それにはどんな意味があるのか、といったことを考えるのです。そして、それを文として書きだします。ことばとして、その記事でめざすことを表すことが、「こう書かないとな」と、自分に納得させることにつながります。

だれかと会って接しているときも、相手に「なぁ、こないだびっくりしたことがあってなぁ……」とか、「ちょっと聞いてよ! じつはさ……」とか言われれば、「なにがあったん」「どうした」と、聞こうとするもの。相手の伝えたいという意思を感じたわけです。

記事でも、「伝えたい」という気もちがこもっていれば、それは読者を惹きつける要素になるはずです。記事をつくるとき、「伝えたい」という気もちがなければ、「伝えたい」という気もちをつくるしかありません。
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