科学技術のアネクドート

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足の下に、クマムシ12匹、ダニ3280匹
アスファルトの上を歩くことが多いと、なかなか「地面の下にいる生きものたち」のことに思いが至らないものです。しかし、栄養分を含む葉っぱなどが落ちている土の表面には、想像を超えるほど多くの小さな生きものたちが暮らしているようです。

たとえば、都会の森のなかには、どんな生きものがどれくらいいるのでしょうか。


明治神宮の森
画像:Google Earth Pro

土壌動物学者の青木淳一さんは、東京・渋谷区の明治神宮の森で、片足ほどの面積の表土中にいる小さな生きものの数を調べたといいます。表土とは、土壌のもっとも上の部分のことで、たいてい生きものは地表から深さ20センチメートルぐらいのところまでに棲んでいるといいます。

 ヤスデ               0.5匹
 ムカデ               1.8匹
 ワラジムシ          11匹
 クマムシ             12匹
 ウズムシ             48匹
 ハエ・アブ幼虫  103匹
 ヒメミミズ      1845匹
 ダニ               3280匹
 線虫             74810匹

これらの数は、1983年に出版された青木さんの著書『自然の診断役 土ダニ』におけるものです。スニーカーや長靴で踏んでいる地面の下に、これだけの小さな生きものがいる(いた)わけです。

こうした小さな生きものは、ヒトを含む地球の生きものたちにきわめて大切な役割を果たしています。地表に落ちている、おもに炭素を成分とする有機物を分解しているのです。もし、生きものたちが有機物を分解をしないとしたら、土でできた地表はつくられず、ただただ有機物がどんどん積もってしまったことでしょう。

明治神宮のようなみどり豊かな場所での地表をもってしても、近年は昔よりこうした小さな生きものの数が減ってきているともいいます。

表層のところほど有機物が多いため、小さな生きものはたくさんいます。土のあるところに行ったときは、自分の足の大きさぐらいの「世界」に目をやるのも、自然のしくみの一端を垣間見られてよいかもしれません。

参考資料
山野井徹『日本の土』
https://www.amazon.co.jp/dp/4806714925
「土と命 土の中はどんな世界?」科学技術振興機構『サイエンスウィンドウ』2014年冬号
https://sciencewindow.jst.go.jp/html/sw53/sp-002
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