科学技術のアネクドート

<< 「忙しくて」に対する常套句は必然的 | main | 足の下に、クマムシ12匹、ダニ3280匹 >>
激しい運動で食欲が減るとする論も、増えるとする論も……

写真作者:USAG- Humphreys

食べものを摂らずにいると、食べものを食べたくなります。これが「食欲」です。食欲は、睡眠欲、性欲ととともに、三大欲求のひとつとされます。

水泳やランニングなどの激しい運動をしたあと、食欲はどうなるでしょうか。

逆説的ですが、巷には「激しい運動のあとは食欲が減る」といった話があるようです。これには「運動誘発性食欲不振」というよび名までついています。

たとえば、170パーセントの力で15秒間ペダルを漕いでから、30パーセントの力で1分ペダルを漕ぐのをくりかえす、激しい間欠的運動をおこなった人の食欲が著しく低下したという実験結果もあるといいます。

実際、食欲を刺激するグレリンというホルモンの濃度の低下や、食欲低下につながる血中乳酸値と血糖値の上昇などが、被験者の体内で起きていたといいます。

こうしたことから、運動後のエネルギー摂取量が、運動中に消費されたエネルギー量より不足するといった現象が起き、これがいわゆるダイエットの効果につながるということです。

しかし、激しい運動をしたあと食欲が減るというのは、万人に共通の現象なのでしょうか。

ひんぱんに水泳をしている人物はつぎのような実感を話します。「水泳後の体ほど、食べものを求めている状況はないのではないか、と。ふだんは食べきれない、皿にてんこ盛りの焼きそばでさえ平らげることができるくらいですから」。

オタワ大学で家庭医療を専門とする医師マージョリー・ポマーレウらが2004年に発表した「運動強度が女性の食物摂取と食欲にあたえる影響」という論文では、女性が強い運動をおこなったあとの昼食ではエネルギー摂取量がほかの場合より増えたとしています。

すくなくとも、現状では、「激しい運動のあとに食欲が落ちる」という話と、「激しい運動のあとに食欲が増す」という話の両方が存在している状況のようです。

激しい運動をするみなさん。実感はどうでしょうか。

参考資料
吉川貴仁、山本佐保、田中繁宏「脳神経・内分泌学からみた運動と食欲の関係」
https://ci.nii.ac.jp/naid/120005999884/
life hacker「『激しい運動で食欲が減る』現象の科学的分析」
https://www.lifehacker.jp/2013/09/130925exercise_eat.html
Marjorie Pomerleau et al.“Effects of exercise intensity on food intake and appetite in women”
https://academic.oup.com/ajcn/article/80/5/1230/4690426
| - | 23:56 | comments(0) | trackbacks(0)
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sci-tech.jugem.jp/trackback/4741
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで (JUGEMレビュー »)
サイモン シン, Simon Singh, 青木 薫
数学の大難問「フェルマーの最終定理」が世に出されてから解決にいたるまでの350年。数々の数学者の激闘を追ったノンフィクション。
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
  • アナウンサーも日常的に「やつ」
    ★ (08/03)
  • “遅れて来た”日産自動車、“満を持して”リーフ
    うぼで (06/13)
RECENT TRACKBACK
amazon.co.jp
Billboard by Google
モバイル
qrcode
PROFILE