科学技術のアネクドート

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概念図、概して複雑な印象をあたえ
公的機関や研究機関などが公表している計画や報告書などには「概念図」などとよばれる図が載っていることがあります。ものごとを説明するとき、ものごとのかかわりあいかたがわかるように描いた図のようなものです。

一般的に、なにかを表現するとき、単純な表現であればあるほど、伝わりやすいとされます。

では、これらの文書に載っている概念図はどうかというと、かなり複雑に感じられるものもあります。

社会には「プロジェクト」と称する事業や研究が多くあるため、ためしに「プロジェクト概念図」と入れてインターネットの画像検索をします。



上位に出てきたのが、このようなものです。ぱっと見たところ、多くの概念図では、文言や矢印などの図を構成する要素が10個以上は使われているようです。「この概念図は単純か、複雑か」と問われれば、つくった人の多くは「単純(につくったつもり)」と言い、見る人の多くは「複雑(すぎて伝わってこない)」と答えるのではないでしょうか。

こうした概念図が、複雑に見えてしまうのはどうしてでしょうか。

ひとつは、こうしたプロジェクトに参加する組織が多かったり、進めかたが複数あったりして、図に盛りこむ要素がそもそも多いということはあるでしょう。

また、図をつくる人にとっては、おいそれと要素を削って単純にすることができない事情もあるかもしれません。単純にするためと、関係性をあらわす矢印を間引いたりしたら「どうしてこの矢印は省かれて、この矢印は残っているのだ」と指摘されるかもしれません。「なるべく情報を省かないほうが無難」という圧がかかり、結果として複雑な印象をあたえる図ができあがってしまうわけです。

なかには、概念図が複雑であればあるほど「優れた図」であると考える人もいるのかもしれません。「このくらい、さまざまな要素を盛りこんでいれば、文書を見てくれる人には立派なプロジェクトであると感じてくれるにちがいない」といった確信をもとに、こうした図をつくる人もなかにはいるのではないでしょうか。
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