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観察に観察を重ね「本質」に近づく

写真作者:Andrew Gustar

「ものごとの本質」を見当しなければならないことがあります。とくに、模範をもとに「模倣」をするときには、その模範となるものが、ほかでもなくどうしてそれなのかを見定めることが大切になります。

では、どうしたら倣いたいものごとの「本質」を当てることができるようになるのでしょうか。

その手段のひとつが「観察すること」といえましょう。ものやこと、また現象などを注意深く、全体として把握するおこないを「観察」といいます。注意深く見ていると、その対象物の性質、挙動、傾向、様式などがわかってきます。観察によって得られたそれらの情報は、「ものごとの本質」を当てるために、どれも役立つものとなるでしょう。

ただし、その対象物だけを観察しているかぎりは、まだ、その対象物の「特徴」を言いあてられても、「本質」を言いあてることはできますまい。得られた性質、挙動、傾向、様式が、ほかのものにも当てはまる場合があるからです。たとえば、粉砂糖をずっと観察して「白くて、粒々で、さらさらしている」といったことを得られたとしても、白くて、粒々で、さらさらしているものはほかにもあります。

そこで、観察したものとおなじような特徴をもっているべつのものも観察します。すると「はじめに観察したものはこうだが、つぎに観察したものはこうだ」といったちがいが浮かびあがってきます。たとえば、粉砂糖のほかに、塩も観察してみます。すると、共通する「白くて、粒々で、さらさらしている」といった「特徴」のほか、「粉砂糖にはアリが寄ってくるが、塩にはアリが寄ってこない」といったちがいが見えてきます。

こうした情報から、「粉砂糖には、生きものにとっての栄養がふくまれている」という「本質」が見えてくるわけです。

いまは、探したい情報にたどりつきやすい時代です。「粉砂糖 本質」などと検索すれば、なにかしら出てくるかもしれません。しかし、自分の五感を使って観察して得られた「本質」は、実感をともないます。五感をともなった体験ゆえ、「このものの本質はこういうものだ」と、自分のなかに長くもっておけるようになります。

􏰜􏰝􏰒参考資料
ブリタニカ国際大百科事典「観察」
https://kotobank.jp/word/観察-48788
鈴木宏昭「小学校理科における『観察』指導の特質」
http://www.jsse.jp/~kenkyu/120306.pdf
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