科学技術のアネクドート

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ふだん使わない「アッセイ」をおそるおそる原稿に
もの書きは、自分がふだん使っていないことばを原稿で使いづらいものです。ふだん使っていないことばが多いと、原稿での語彙表現が貧弱になったり、あえて使って誤用してしまったりするので、ふだんからいろいろなことばに触れておくことは大切となります。

ふだん自分は使っていないけれど、取材対象者が使っているなどのことから、使わなければならないことばもあるものです。そういうことばに対しては、とりあえず国語辞典を引いて、どんな意味か調べることになります。「だいたいこんな感じのことばなのね」と把握して、そのことばを記事に使ったり、べつの表現にしたりします。

ところが、取材対象者がけっこうよく使うものの、国語辞典には載っていないことばもあるものです。

ある生命科学の研究者は、取材で「アッセイ」ということばを何度か使いました。「やはり、そのときはアッセイのしかたをよくよく検討しましたね」「神経細胞を使ってのアッセイにはよく慣れていましたからね」といった具合。

国語辞典で「アッセイ」「アッセー」「アッセ」などと引いても、この研究者の言う「アッセイ」は見あたりません。

しかし、インターネットで「アッセイ」と検索すると、「バイオアッセイ」ということばが存在することがわかります。

たとえばウィキペディアの「バイオアッセイ」の項目には「生物材料を用いて生物学的な応答を分析するための方法のことである。単語はバイオ(生物)とアッセイ(分析、評価)を組み合わせて作られた。日本語では生物検定や生物学的(毒性)試験と訳す」とあります。

ではと、国語辞典で「バイオアッセイ」を引くと、国語辞典では「生物検定」の項目に飛ぶようにという指示があり、その先で意味が載っています。「生物体に与える影響の度合によって、生理活性物質の有無や量、その活性を検定すること。ビタミンの定量やホルモン・抗生物質の効果測定によって定量する方法。生物学的定量法。バイオアッセイ」とあります。

もの書きはこうして「バイオアッセイ」ということばの意味にたどり着くのでした。しかし、自身は生命科学者でないため、人生のなかで本物の「アッセイ」に携わったことはありません。しかし、原稿では「アッセイ」ということばを使わずにはいられなさそう。

そこで、「アッセイ」を「生物検定」ということばと置きかえたとしても、日本語として意味が通じるかを検討しながら、おそるおそる「アッセイ」ということばを原稿に使うのでした。


たぶんアッセイな感じ……。
写真作者:Vivien Rolfe

参考資料
ウィキペディア「バイオアッセイ」
https://ja.wikipedia.org/wiki/バイオアッセイ
大辞林第三版「生物検定」
https://kotobank.jp/word/生物検定-546270
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