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住みやすさ世界3位の大阪「文化と環境」「都市基盤」以外は100.0


英国の雑誌『エコノミスト』の調査部門が「2018年世界で最も住みやすい都市ランキング」を8月に発表し、大阪が第3位になったことが話題になっています。

第1位はオーストリアのウィーン、第2位は豪州のメルボルン。大阪はこれにつぐ第3位。10位以内では、日本の都市でほかに東京が第7位に入っています。

この「大阪が第3位」という結果に、驚きの声を上げる日本の人もいるのではないでしょうか。国内でおこなわれている、この手のランキングでは大阪の市町村の順位はさほど高くないからです。

たとえば、東洋経済新報社が発行している『都市データパック2018年度版』をもとにした「住みよさランキング2018」では、上位50位までに大阪の都市が入ったのは、第26位の箕面が最高で、ほかには第44位に吹田が入っているのみです。ちなみに第1位は千葉県の印西、第2位は愛知県の長久手、第3位は宮城県の名取市とのこと。

こうしたランキングは、なにを尺度とするかによって結果が大きく異なるもの。では『エコノミスト』のランキングでは、どんな尺度があるのでしょうか。ランキングの指標を見てみると、“Stability”(安定性、治安のよさ)、“Healthcare”(福祉)、“Culture & Environment”(文化と環境)、“Education”(教育)、“Infrastructure”(都市基盤)となっています。

各指標は100.0を“ideal”つまり「理想的」としており、大阪については“Stability”が100.0、“Healthcare”が100.0、“Culture & Environment”が93.5、“Education”が100.0、“Infrastructure”が96.4となっています。

いっぽう、東洋経済新報社の「住みよさランキング2018」で尺度としているのは、「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」「住居水準充実度」で、ランキングを伝える記事ではこれら各尺度の「順位」を示しています。

日本の人びとからすれば、大阪には独自性の高い文化があるため、『エコノミスト』のランキングで“Culture & Environment”だけ93.5と低いことに意外と思う人も多いのではないでしょうか。

「大阪が住みやすさ世界第3位」に実感がわかないという日本の人も多いかもしれません。とはいえ、大阪や関西の盛りあがりぶりを世界に伝えたいと考えている企業や自治体などは、今回の結果も宣伝材料になることでしょう。

参考資料
The Economist “The Global Liveability Index 2018”
https://pages.eiu.com/rs/753-RIQ-438/images/The_Global_Liveability_Index_2018.pdf
東洋経済オンライン 2018年6月20日付「最新版!『住みよさランキング2018』トップ50」
https://toyokeizai.net/articles/-/225720
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