科学技術のアネクドート

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投げ縄で牛や馬を捕まえる意味を込めて「ラリアート」
プロレスリングを愛好する人は、選手が技を決めたときの快感を味わうのではないでしょうか。応援している選手が技を決めたときはなおさらです。

愛好者に技を知ってもらうためという理由もあるでしょう、それぞれの技にはよび名があります。たいていの技は英語で表されるものであり、日本語に訳すれば、技と意味が一致するものです。

たとえば、かつてメキシコ出身で覆面のミル・マスカラス(1942-)が得意技としていた「フライング・クロス・アタック」は、勢いをつけて飛びながら両腕を交差させて相手選手の体にぶつかり攻めるもの。だいたい、名が体を表しています。

しかし、技の名は有名でありながらも、その語がなにを意味しているのか、さほど知られていないといった技もあるものです。

かつて日本で活躍し、「不沈艦」の愛称をもつスタン・ハンセン(1949-)の得意技といえば「ウェスタン・ラリアート」。「ウェスタン」は、ハンセン選手のカウボーイ姿から、「西部」あるいは「西部劇」にちなんだものと想像できます。

では、「ラリアート」とはなんなのでしょうか。

「ラリアート」を英語で綴ると“lariat”。ではと、「lariat」で画像検索すると、紐状の道具を写した画像が多く出てきます。

「ラリアート」は、「(馬、牛などを捕まえる)投げ縄」「(草を食べている家畜を杭につなぐ)つなぎ縄」とあります。また、動詞として「投げ縄で捕まえる」「つなぎ縄でつなぐ」という意味も。


“lariat”で出てくる写真
写真作者:Mac Armstrong

これらの意味と、ハンセン選手のウェスタン・ラリアートのようすから見ると、「投げ縄で馬や牛を捕まえるように、腕を当てて相手選手の首を捉える」といった意味が、技としての「ラリアート」に込められていることがわかります。

日本の文化においては、投げ縄としてのラリアートは、ほとんどの人にとって縁のない道具。いっぽう、プロレスリングの技としてのラリアートは、ハンセン選手の活躍などもあり多くの人びとに知られるようになりました。日本語で「ラリアート」と入れて画像検索すると、上位には、長州力選手、小島聡選手、金丸義信選手、そしてスタン・ハンセン選手らがぶちかますラリアートの写真ばかりが出てきます。

参考資料
小学館ランダムハウス英和大辞典「lariat」
https://dictionary.goo.ne.jp/word/en/lariat/
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