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絞りを狭めて、手前から奥までぼかさず

デジタルカメラでは、「自動」の機能を使えば、対象物をそれなりに卒なく撮ることができます。多くの人は、この自動の機能を使って撮っていることでしょう。

しかし、どんな写真を撮りたいかという目的によっては、自動でない方法で撮るほうがその目的をかなえられます。

たとえば、手前から奥にかけて並んでいるような対象物を撮るとき、なるべく手前から奥までをぼやかせずに撮りたいとします。そうしたとき、たいていのカメラの機能としてついている「絞り優先」を使うと、かなえられそうです。

「絞り」とは、光線束の方向範囲を限定するための孔が空いた板のこと。絞りの孔を狭めると、光の入ってくる角度は狭まります。すると、絞りの孔を狭めていないとき、つまり孔の空きが大きいときにくらべて、手前から奥までのより長い範囲を焦点にすることができます。この焦点の範囲を「被写界深度」あるいは「焦点深度」といいます。

絞りの孔の空きを狭めることで、被写界深度は深くなります。つまり、対象物の手前から奥までを、ぼかすことなく撮ることができるようになります。しかし、その利点を得られる反面、犠牲が生じます。絞りの孔を狭めるということは、入ってくる光の量をすくなくかぎることにもなりますから、絞りの孔を狭めずに撮るときにくらべて、暗めに写ってしまいます。

この犠牲を穴うめするにはどうすればよいでしょう。

シャッターを長い時間にわたり空けておき、得られる光の量を多くすれば、暗めに写ってしまうことを避けられます。

しかし、シャッターを長い時間にわたり空けておくことについても、その利点を得られる反面、犠牲が生じます。シャッターを長い時間にわたり空けておくということは、撮影中にカメラが揺れるおそれが高まります。撮影中にカメラが揺れると、対象物がぶれて写ってしまうことに。

この犠牲を穴うめするにはどうすればよいか。

三脚を使うなどしてカメラを固定することができれば、カメラのぶれを防ぐことができます。

これらをまとめると、対象物を手前から奥までぼやかさずに撮ろうとする場合、カメラのシャッターの絞りを狭めて、シャッターを長く空けて、カメラを固定するといった方法が効く、ということになります。


絞りの孔を狭めて撮った写真


絞りの孔を狭めず撮った写真

参考資料
ニコン「露出 絞り値(F値)」
http://www.nikon-image.com/enjoy/phototech/manual/04/04.html
Canonが教える写真のコト「Av(絞り優先)モードにしてみましょう」
https://cweb.canon.jp/eos/special/beginner/column12/
KAN’S MEMO 2010年6月27日付「サルでもわかって欲しいカメラ原理講座: #02 絞りとは」
http://www.kansmemo.com/photo/camera/principles/entry-59.html
超簡単♪写真スクール「レンズの絞りと被写界深度の関係」
http://www.st39.net/pic-school/z0261.html

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