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大人たちのすることで10歳代が影響を受け……


東京都内の医科大学では、女子や浪人年数の長い男子が不利となる得点操作がおこなわれていたことが明るみになり、社会問題となっています。

アマチュア・ボクシングでは、連盟会長の不正が告発されて以来、報道各社が試合会場にも詰めかけ、“会長の欠席“を伝えるなどしています。この会長は(2018年)8月8日に辞任を表明しました。

いっぽう、夏の高校野球全国大会では、予選も本戦もふくめ、選手や応援者たちが熱中症で倒れるといった事故が起こり、これもどのような対策をとるか課題となっています。

このところ社会でわいているこれらの問題には、なんの共通点もなさそうに感じられます。しかし、いずれも「大人たち意思決定で10歳代をはじめとする若い人たちが影響を受けている」という点で一致しています。

医科大学を受験するのは、たいてい10歳代後半か20歳になったばかりの世代たち。公平に扱われていたら合格し、入学できていたかもしれない受験を、大人たちの判断によって不合格にさせられてきたわけです。大学受験は、人によっては、人生を左右するような大きなできごとです。

連盟会長の欠席を伝えるために報道各社が詰めかけたボクシング会場でおこなわれていたのは、全国高校総合体育大会の会場です。選手は10歳代の高校生たち。試合内容はなにも報じられず、ただ大人たちの不正に端を発した問題だけが伝えられました。通常の試合とはちがう雰囲気のなか、選手は試合に臨んだことでしょう。

高校野球の全国大会が夏におこなわれるというのは、だれもが知っていることであり、主役の高校生たちもそれは承知してはいるでしょう。しかし、「暑い時間帯には試合を避ける」「ドーム球場で開催する」といった決定を彼らが自分でくだすことはできません。高校生たちは、大人たちがくだす決定事項にしたがって、試合をしたり応援したりする立場にあります。そして、酷暑のなか、熱中症で倒れていきます。

10歳代の若い人たちからすれば、「自分たちをそんな、かわいそうな目で見なくてもいい」とあるいは感じるかもしれません。しかし、10歳代が、自分たちでどうすることもできないことを、大人たちのおこないによって強いられているという状況は、大人たちが一種の社会的弱者をつくりだしている状況といえます。意思決定権のない人たちに対して責任をもっているのは、意思決定権をもっている人たちです。

参考資料
朝日新聞 2018年8月7日付「東京医大『寄付増やしたかった』不正合格の親から謝礼」
https://www.asahi.com/articles/ASL874VKYL87UTIL029.html
デイリースポーツ 2018年8月2日付「山根会長入院 批判回避? 高校総体ボクシング開会式欠席『体調不良』
https://www.daily.co.jp/general/2018/08/02/0011503053.shtml
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