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表現したい部分を強調する

写真作者:art_inthecity

芸術や工業などでは、意匠のしかたひとつとして「デフォルメする」ということがあります。

「デフォルメ」は、“déformer”と綴るフランス語。さらにその語源は、ラテン語の「形をくずす」という意味の語とされ、その原義には「形を悪くする」「醜くする」といった否定的な意味があるともされます。

しかし、いまの時代においては、形を悪くしたり、醜くしたりするために対象物をデフォルメすることはまずありません。とくに美術では、対象を変形させて表現することを「デフォルメ」とよびますが、その目的は大きくいえば「表現したい部分を強調するため」といえるのではないでしょうか。

産業的な意匠においてもデフォルメはなされます。たとえば、地図をはじめとするインフォグラフィックスでは、使う人が情報を取捨選択でき、わかりやすく使えるためにデフォルメがなされます。これも上に示したような「表現したい部分を強調する」といった目的に当てはまります。

ほかにも、「モデルとなるものが細かすぎて忠実に模造できないから」といった理由でデフォルメをするといった、必要性からくる理由もあるでしょう。ただし、しかたなく簡略化することは消極的ですし、デフォルメする本分からは外れそうです。

デフォルメが、表現したい部分を強調するためものとすれば、意匠でデフォルメをほどこす人は「自分はなにを表現したいのか」を定めておかなければなりません。そのためには、モデルとなるものをよく観察して「なにがそれを特徴たらしめているのか」「なにを自分として伝えたいのか」といったこと考える作業が必要となります。また、デフォルメをするために「なにを省いたら伝えたいことをより効果的に伝えられるか」といった削る要素についても吟味する必要があるでしょう。

デフォルメも、伝えたいことを伝えるための手段と考えると、なにをどうすべきかがわかってきます。

参考資料
カタカナ語の意味まとめ「デフォルメの意味とは」
http://imimatome.com/katakanagonoimi/katakana41.html
笑える国語辞典「デフォルメ」
https://www.waraerujd.com/blank-34
菅沼優子、根岸博康、川又武典「図形のデフォルメ技術」
http://www.mitsubishielectric.co.jp/corporate/giho/2011/11/pdf/1111112.pdf
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