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取材の前に「質問」の文を書く


文を書くことで生活している人を「もの書き」といいます。もの書きが書く文にはどんなものがあるでしょうか。まっさきに「原稿」が思いうかばれそうですが、それだけではありますまい。

原稿をつくるときには、たいてい取材、つまり人から話を聴くなどして材料を得る作業がともないます。そして、取材で人から話を聴くためには、もの書きのほうから「これについてはどう思っているんですか」「あのときどんなふうに行動したんですか」といったように尋ねていかなければなりません。

ですので、多くの場合、もの書きは取材のまえに「質問」の文を書くことになります。

ときには、もの書きが「質問」の文をつくらずに取材を迎えることもあります。たとえば、取材対象者に取材の趣旨をひとこと伝えるだけにとどめ、あとは取材の本番でやりとりするなかで話を聴いていくという場合です。また、もの書きでなく編集担当者が質問をつくり、それにそって取材が進む場合もたまにあります。

しかし、そうした場合はむしろすくなく、5割以上の確率でもの書きが質問の文を用意するというのが実際のところではないでしょうか。

書いた質問は、取材本番の何日か前に取材対象者に届けられることがあります。あらかじめ取材対象者が、取材本番でどんなことを尋ねられるか把握しておけば、答を準備して取材に応じることができるからです。

なかには、即興的なやりとりを重視するもの書きもいるかもしれません。しかし、あらかじめ尋ねたいことを伝えておくほうが、まとまった答を取材で得られやすいため、原稿を書くうえでは利点のほうが大きそうです。

こうした場合の質問の文は、当然ながら取材対象者が「読む」もの。記事になる原稿にくらべたら、誤字・脱字や文の乱れの影響は小さいものの、もの書きは相手に伝わる文をつくらなければなりません。

あるもの書きは、こんなことをつぶやいているようです。

「取材がたてつづけにあるものだから、ここのところ書くのは質問の文ばかり。原稿を書く時間がなくなっちゃうよ」

最終形である原稿を書くことも大切ながら、原稿の質をも左右する質問を書くことも大切。重きをどちらにどのくらい置くかは、もの書きのそれぞれの感覚によりけりです。
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