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心臓を動かすのも筋肉


写真作者:ajari

筋肉は、収縮つまり縮まったり、弛緩つまり緩んだりして、動物の体を運動させる器官です。「キン肉マン」や「なかやまきんに君」などの印象からでしょうか、「筋肉」というと厚い胸板や太くてたくましい二の腕が想起されがちです。

しかし、収縮や弛緩によって体を運動させるという点では、特定の臓器を動かすのも筋肉といえます。

「心筋」も筋肉のひとつ。心臓には、体に血液をめぐらせるため拍動して血液を送りだす役割があります。その心臓の収縮おこなっている筋肉が心筋です。具体的には心臓壁の大部分が心筋でできています。

筋肉には、横縞のある筋繊維でなりたつ「横紋筋」と、横縞のない筋繊維で、意志の支配を受けずに動く「平滑筋」があります。心筋はというと、横紋つまり横縞をもつものの、意志によって動くわけではありません。そのため心筋は、横紋筋の要素と、平滑筋の要素のふたつの中間どころに位置づけられる筋とされます。

心筋が動くのは、心臓の右心房ちかくにある「洞結節」とよばれる部分が出す電気刺激を受けてのこと。電気は通り道となる刺激伝導系を伝って、まず心房の筋肉を収縮させます。ついで、電気は房室結節という心臓の中心部まで伝って、プルキンエ繊維という部分までたどりつき、心室の筋肉を収縮させます。つまり、心房が収縮してから、心室が収縮する。このくりかえしで、心臓はどくんどくんと拍動し、血液を全身に送りだしているのです。

心筋が動くには、酸素や栄養が必要です。これら酸素や栄養が送られる血管は冠状動脈とよばれます。しかし、そこに血栓などが生じて血液の循環に支障をきたすと、酸素や栄養が送られなくなるためその部分が壊死してしまいます。この病気が「心筋梗塞」です。

動物が生きているあいだじゅう、基本的に心臓は動きつづけます。いたわるには、心筋梗塞のもととなる血栓をひきおこす動脈硬化などを生じさせないこと。つまり、高血圧、脂質異常症、肥満などの生活習慣病を起こさないようにすることです。

参考資料
ブリタニカ国際大百科事典「心筋」
https://kotobank.jp/word/心筋-81500
百科事典マイペディア「心筋」
https://kotobank.jp/word/心筋-81500
世界大百科事典第2版「心筋」
https://kotobank.jp/word/心筋-81500
フクダ電子「心臓の基礎知識」
https://www.fukuda.co.jp/public/pacemaker/heart2.html

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