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ゲノム解析で「縄文人」の姿を浮かびあがらせる


(2018年)7月3日(火)発売の『東京人』(都市出版刊)では、「縄文散歩 Tokyo」という特集が組まれています。

特集のリードには「自然と共生した縄文の思考に、今、一部の哲学者やアーティストらが強い関心を寄せている。未来を切り拓く新たなる思想のヒントは、案外、私たちの足元にあるのかもしれない」とあります。

縄文時代は、日本における考古学上の時代区分のひとつで、縄文土器を作り、使っていた時代を指します。旧石器時代のあとから、弥生時代の始まる前までで、紀元前5世紀から3世紀ごろまでとされます。

特集のうち「核ゲノム解析で見えてきた遺伝的特異性」という記事では、いまの日本人の源流のひとつとされる「縄文人」の特徴を、ゲノム解析という手法で追究する研究の現状を伝えています。

研究は、国立科学博物館、金沢大学、山梨大学、国立遺伝学研究所が共同で進めているもの。国内の遺跡から発掘された縄文人の遺体の一部から、細胞を得て、細胞核のなかにあるゲノム、つまり遺伝子の全体の情報を解析します。これにより、縄文人の体の特徴を探ったり、縄文人がどこから日本列島にきたのかを探ったりします。

実際、国立科学博物館の研究者らは、北海道礼文島の船泊遺跡から、女性の縄文人の大臼歯を得て、核ゲノム解析、そして細胞内のミトコンドリアの核からもゲノム解析をしました。その結果「シミのリスクがある」「肌の色は濃い」「毛髪は細く、縮れている」などの身体の特徴がわかり、この縄文人女性の「復顔」にも成功しました。

また、縄文人と、いま日本列島で生活している本土日本人、アイヌ人、琉球人たちとのゲノムの比較分析をしたところ、縄文人のゲノムはいずれからもかなり孤立していることがわかったといいます。

これまで古代人の姿を追究するためには、出土した古代人の骨の特徴などから推測する「形態学的手法」がとられてきましたが、推測の域を超えられない部分も多くありました。いっぽう、ゲノム解析の手法を使うことにより、より確度の高い根拠をもって、古代人の姿を浮かびあがらせることができるようになってきました。

特集では、鼎談「縄文の思考で未来を切り拓く」や「都内で見るべき土器」「丘陵人をたずねて」などの、縄文人をめぐる記事がふんだんです。

図書出版による『東京人』2018年7月3日発売号のお知らせはこちらです。
http://www.toshishuppan.co.jp/tokyojin.html
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