科学技術のアネクドート

<< 職場の数人で生産性や品質を高めるため活動 | main | 夏の平均気温10度のレイキャヴィクに屋外プール複数 >>
取材の部屋で関係ないことをしている人はいないほうがよい

図版作者:Free Public Domain Illustrations by rawpixel

記事の材料になることを人から聞くなどして集めるおこないを「取材」といいます。

取材はもっともすくない人数では、取材対象者1人と取材者1人の2名でなりたちます。いっぽうで、取材対象者側から本人のほかに上司、広報担当者、営業担当者などが、また、取材者側から編集担当者、撮影担当者、デザイン担当者などが参加することもあり大人数になることも。

大人数でおこなわれる取材であっても、それぞれの居あわせた人には、なにかしらの役割があるはずです。

ところが、まれに、取材がおこなわれている空間で、なんの役割も演じない人がたまにいることがあります。

あるもの書きの経験談によると、12人ほどの大人数での取材があったそうです。そして、取材者側の人物が取材の部屋に遅れて入ってくると、部屋の端のほうの椅子に座り、机に自分のコンピュータを出し、なにやらかたかたと打ちはじめたといいます。

「はじめは、取材対象者が話していることをメモするために、かたかたとやっているのだと思っていました。ところが、お話を聞く時間が終わって、撮影の時間に移っても、コンピュータを前にかたかたとやっています」

このもの書きが「この人は取材にかかわる作業をコンピュータに向かってやっているのではない」と確信した瞬間があるといいます。

「撮影の都合で机を動かすことになったんです。それで人びとが慌ただしく動きはじめると、その人も立ちあがって、ちょっとだけ机を動かすのを手伝いました。おそらく、その人には取材以外の作業をほんとうはすべきではないという後ろめたさもあったのでしょうね。だから、動きのある作業が起きるときは、自分も参加する態度を示そうとする。でも、慌ただしさが沈むと、その人、またパソコンを打ちはじめたけれどね!」

その人は、取材者側の組織から明確な役割をあたえられていなかったのかもしれません。具体的にその人が取材の場所ですべきことがあたえられていれば、すくなくともそれは果たすのではないでしょうか。

そうした事情があるなしにかかわらず、取材の部屋にいるかぎりその人は、そのときの雰囲気をつくる要素のひとつになっているはずです。取材と関係ないコンピュータ打ちを取材の部屋でする行為が、取材を成功させるうえで、足しになるでしょうか、ならないでしょうか。

取材対象者は、まわりの人びとが自分の話を興味深く聞いたり、撮影で盛りあげたりしてくれれば、乗ってきやすいものです。そうしたなか、取材とは関係のない仕事でコンピュータを打っていれば、その情報は取材対象者の視覚や聴覚に入ってきます。

「乗り」は削がれるのではないでしょうか。

つまり、取材と関係ない作業をしていることがわかってしまっている人が、取材の部屋にいることが、取材の足しになるかならないかといえべ、「足しにならないし、むしろいないほうがよい」ということになりそうです。
| - | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0)
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sci-tech.jugem.jp/trackback/4635
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで (JUGEMレビュー »)
サイモン シン, Simon Singh, 青木 薫
数学の大難問「フェルマーの最終定理」が世に出されてから解決にいたるまでの350年。数々の数学者の激闘を追ったノンフィクション。
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
  • アナウンサーも日常的に「やつ」
    ★ (08/03)
  • “遅れて来た”日産自動車、“満を持して”リーフ
    うぼで (06/13)
RECENT TRACKBACK
amazon.co.jp
Billboard by Google
モバイル
qrcode
PROFILE