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「高齢者こそ脂肪を摂るべき! 認知機能への効果とは」


ウェブニュース「JBpress」で、きょう(2018年)6月8日(金)「高齢者こそ脂肪を摂るべき! 認知機能への効果とは 科学研究から見る、食と脳・こころ(前篇)」という記事が配信されました。

食生活の送りかたは人によって大きく異なるもの。炭水化物、たんぱく質、脂肪という三大栄養素の摂取量の率も人それぞれですし、家族と食事をとる人もいれば個食を基本とする人もいます。

食事は、1日に3回や2回はするもの。食習慣が積みかさなっていくと、それはやはり未来においてからだになんらかの影響をあたえることでしょう。高血圧や代謝症候群などの生活習慣病はその代表例です。

おなじようなことが、「食と脳・こころ」の関係にもいえるのではないでしょうか。つまり、食生活がよければ未来におけるその人の脳やこころによい影響をもたらすし、ぎゃくもまたいえるということです。

しかし、根拠をもって、食が脳やこころにどう影響をあたえるかをきちんと理解するための方法はそう多くあるとはいえません。

そうしたなかでも根拠となりうるのが、多くの人を長期にわたって追跡調査することで、健康や病気の原因などを究明していく「コホート研究」とよばれる手法です。にたような意味で「疫学調査」ともよばれます。

この記事では、国立長寿医療研究センターが進めてきた「老化に関する長期縦断疫学研究」(NILS-LSA:National Institute for Longevity Sciences - Longitudinal Study of Aging)というコホート研究の成果を、同センターNILS-LSA活用研究室室長の大塚礼さんに聞いています。

この研究は、1997年に第1次調査を開始して以後、2012年の第7次まで、愛知県大府市と東浦町の40歳から79歳までの約2300人を無作為抽出して調査してきたもの。いまも、協力者たちの追跡調査はつづいているそうです。

たいていのコホート研究では、対象者に自身の食事や生活について調査票に記してもらうもの。加えて、同センターは医療機関でもあることの利点を活かそうとしているようです。対象者に同センターに来てもらい、医療機器を使った測定も実施するわけです。体の内部の状態を診る、核磁気共鳴画像診断法(MRI:Magnetic Resonance Imaging)やコンピュータ断層撮影装置(CT:Computerized Tomography)を使った検査もおこなえるわけです。

記事では、同研究の成果として、魚を食べることと認知機能低下の危険、また、うつになる危険を抑えられることの関係性などが実際の検査によるデータをもとに紹介されています。

そして、いちおうの結論は、記事タイトルにある「高齢者こそ脂肪を摂るべき」というメッセージ。中高年までの人にとって、脂肪は肥満などの原因になるため「摂るべからざるもの」という意識があるかもしれません。しかし、高齢者にとっては脂肪に対する意識は逆となるということが記事からわかります。

JBpressの記事「高齢者こそ脂肪を摂るべき! 認知機能への効果とは 科学研究から見る、食と脳・こころ(前篇)」はこちら。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53269

この記事の取材と執筆をしました。

(2018年)6月15日(金)掲載予定の後篇では、さらに同研究の成果を紹介する予定。さまざまな食物を摂る生活を送ること意義とその根拠などの話に進んでいきそうです。
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