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「穴の向こう側まで見えるちくわ」の写真がなかなか見あたらない
いろいろな材料を集めて記事をつくる人を「編集者」といいます。材料のひとつとして写真を記事に載せることが効果的だと考えれば、編集者はその写真を探します。

ある編集者は、とある特定の条件を満たす写真がないかと、インターネット上の写真提供サービス業のサイトなどを探していったといいます。ところが、さまざまなサイトをくまなく見ていっても、どうしてもその「とある条件を満たす写真」を見つけられないというのです。この編集者はつぎのように言います。

「私が手に入れたい写真は、“穴の向こう側が見えているちくわ”の写真でした。ところが、探しても探しても見つからないのです……」

ちくわは、すりつぶした魚肉を棒に巻きつけて、焼いてつくる食品です。魚肉に棒が貫かれるので、必然的に穴があることになります。ですので、写真
にうつっているちくわのすべてに貫通穴があるはずです。

「ところが、探しても探しても、穴の向こう側までは見えない写真ばかりなのです。これはほんとう、どうしたことなのでしょうか……」

ためしにインターネットの画像検索で「"ちくわ"」と入れると、ずらっとちくわの写真が並んで出ますが、たしかに穴の向こう側が写っている写真はなかなか見あたりません。薄く輪切りにしたちくわのかけらの写真で、ようやく穴の向こう側が見えるくらいのものです。

「"ちくわ"」の画像検索結果。

では、おなじく「"ちくわ" "穴"」と入れるとどうでしょう。ようやく、ちくわの断面を正面に撮影し、穴の向こう側が写っているような写真がちらほら見られるようになりました。


「"ちくわ" "穴"」の画像検索結果。4番目に該当する写真が。

「穴があるからこそちくわなのに、その穴の向こう側まで見えている写真がほとんど見つからないとは……。これは、社会の盲点といってもよいのではないでしょうかぁ !!」

「社会の盲点」を発見したことに、この編集者はむしろうれしそうです……。

どうして、ちくわの写真では、穴の向こう側が見えないものがほとんどなのでしょうか。おそらく、ちくわを撮る人は、ちくわをちくわらしく撮るための角度を、撮るときに自然と定めるのでしょう。その角度は「斜めから」というもの。よって、穴の入口は見えても、穴の向こう側までは見えない写真ばかりが世の中に出まわるのでしょう。

ところで、この編集者はどうして、「穴の向こう側まで見えるちくわの写真」を必要としたのでしょうか。

「原稿を書いてもらったライターさんが、ヒトの体は口から肛門まで、ちくわのように空洞が貫かれている、といった説明をしていて、ぜひそのイメージを写真で示したかったんですよ」

結局、写真提供サービス業のサイトで見つからなかったため、この編集者は“自撮り”をするかどうか検討しているようです。そんなにその記事にとって必要なものなのでしょうか。

もし、近々、穴の向こう側まで見えるちくわの写真がインターネット上に加わったとしたら、それは、その編集者が自分で撮ったものである可能性があります。
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