科学技術のアネクドート

<< 「伝えたいこと」があると水かけ論を防げる | main | 「穴の向こう側まで見えるちくわ」の写真がなかなか見あたらない >>
勝てば勝ちと評価され、負けても負けと評価されず



大相撲の平成30年五月場所は、27日(日)が千秋楽。横綱の鶴竜の優勝や、関脇の栃ノ心の大関昇進を確定的にする準優勝などでわきました。

いっぽうで、十両の取りくみでは、元大関の照ノ富士が、東幕下筆頭の天風に破れるなどし、幕下への陥落が確実な状況となっています。

十両の力士と幕下の力士が勝負するのはよくあること。たとえば、十両の力士の一人が休場して人数が奇数となれば、必然的に十両より下の幕下の力士か、あるいは十両より上の前頭の力士と対戦する力士が出てきます。十両と幕下の勝負では、十両で番付の低い力士と、幕下で番付の高い力士が、十両の取りくみで戦います。

幕の内や十両が一場所で15番、取りくむのと、幕下以下の力士は7番しか取りくみません。しかし、やはり計算上、どうしても「全力士がすべて7番を取りくむ」ということができなくなる場合があります。

その場合、幕下以下の力士が、一場所で7番でなく、8番、取りくむことになります。これは「八番相撲」とよばれるもの。

27日(日)の照ノ富士と天風の対戦では、幕下東筆頭の天風が「八番相撲」に取りくむこととなりました。対戦力士が元大関というのは「八番相撲」が組まれたこととは関係ないでしょうが。

通常、幕下力士は一場所で7番しか取りくまないところ、「八番相撲」を取りくむ力士は当然、8番、取りくむことになります。すると、成績はどうなるのでしょう。

その力士が8番、取りくんだのは事実ですから、2勝6敗とか、3勝5敗とか、合計8番での成績となります。天風も五月場所では、1勝6敗で照ノ富士と対戦し、勝ったため、2勝6敗でした。

いっぽうで、勝ち星の負け星の数の評価については、これとは異なってくるようです。つまり、ほかの力士とおなじく「7番、取りくんだ」という前提で均すようです。

では、「八番相撲」をとった力士の成績の評価をどうするのか。これについては、もし「八番相撲」をとった力士が勝てば、勝ち星がひとつ増えたことにし、負けても、負け星はひとつ増えないことにする、といった規定があります。勝った場合は有利にはたらき、負けた場合は不利にはたらかない、というわけです。そのため、勝った一番は「勝ち得」、負けた一番は「負け得」とよばれます。

よって、天風の場合では、成績は2勝6敗、評価の点では2勝5敗の扱いということになるわけです。

十両力士との「八番相撲」に選ばれる力士は、幕下上位であり、かつ、負けが混んでいる力士からの場合が多いとされます。もし、幕下上位で、かつ勝ち星が多い力士が選ばれると、来場所の十両昇進に大きな影響が及ぶためとされます。実際、幕下筆頭にはもう一人、西方に千代の海がいましたが、成績は4勝3敗。

4勝3敗の力士を取りくませるより、1勝6敗の力士を取りくませるほうが、“無難”といったところでしょうか。

参考資料
日本相撲協会「幕下の星取表」
http://www.sumo.or.jp/ResultData/hoshitori/3/1/
ウィキペディア「八番相撲」
https://ja.wikipedia.org/wiki/八番相撲

| - | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0)
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sci-tech.jugem.jp/trackback/4611
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< August 2018 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで (JUGEMレビュー »)
サイモン シン, Simon Singh, 青木 薫
数学の大難問「フェルマーの最終定理」が世に出されてから解決にいたるまでの350年。数々の数学者の激闘を追ったノンフィクション。
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
  • アナウンサーも日常的に「やつ」
    ★ (08/03)
  • “遅れて来た”日産自動車、“満を持して”リーフ
    うぼで (06/13)
RECENT TRACKBACK
amazon.co.jp
Billboard by Google
モバイル
qrcode
PROFILE