科学技術のアネクドート

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「自分の位置の表示」こそ地図の技術革新
現実の世界を縮めて、平面に表し、そこに文字や記号などの情報を加えたものが、「地図」です。

いま残されている地図で、もっとも古いものは、紀元前6世紀ごろ西アジアで作られたバビロニアの世界地図とされています。あくまで、残されているもので最古ということなので、実際はもっと昔から地図が作られ、使われていた可能性は高そうですが。

地図はおもに、使っている人にとって、まったくあるいはあまり把握していない土地について知るための“手段“といえます。なかには、地図を眺めることそのものを楽しむ、つまり地図そのものが“目的”になるときもありますが。

手段としての地図を考えれば、使いやすさが高まることが「地図の進歩」といってもよいのではないでしょうか。

では、紀元前から作られ使われてきた地図の歴史のなかで、もっとも地図が進歩したできごととは、どのようなものでしょうか。

大航海時代に人類の活動範囲が広がり、世界をくまなく地図で表現できる状況に近づいたというのは、大きな進歩のひとつかもしれません。しかし、まだ気軽に移動できない時代において、万人がそうした地図を必要としていたわけではありません。

20世紀には、測量技術が発達して、地図がより正確に描かれるようになりました。19世紀の伊能忠敬らによる測量技術の正確さも目を見張るものがありますが、20世紀に入ってから、レーザー光、航空機、さらには人工衛星などの技術を使えるようになり、これらが地図の正確性をいちだんと高めました。ただし、これら20世紀の文明の利器が使われるより前から、地図の正確さはある程度、高い水準が保たれていました。

これらの技術革新よりも、より大きな地図の進歩は、「自分のいる位置が地図上に示されるようになったこと」ではないでしょうか。



自分の位置を含めた地図が表示される全地球無線測位システム(GPS:Global Positioning System)の使用開始が宣言されたのが1993年のことといいます。

その後、スマートフォンでも、全地球無線測位システム、それにジャイロセンサー、また、グーグルマップなどのアプリケーションの組みあわせで、地図上に自分の位置が表示れるようになっています。

従来の紙などでの地図では、自分の位置が表示されなかったため、「おそらく自分はここにいるのだろう」と推測しながら、地図を使うしかありませんでした。これには、推測が外れて、目的地にたどり着けない危険性もあります。

しかし、自分の位置が表示されることになり、地図の情報と合わせて、「自分はここにいる」というのが、直感的にわかるようになりました。つまり、地図を使いながら迷う危険性が格段に減ったわけです。使いやすさの高まりという点では、地図の発明に次ぐくらいの、進歩といえるのではないでしょうか。

今後、「自分の位置が地図上に表示される」といった進歩よりもよりもさらに革新的な進歩は現れるでしょうか。

参考資料
NHK for School「地図の歴史」
http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005402652_00000
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