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「ないです」だと続くが、「なしで」だと終わりやすい


いわゆるポイントカードをもつことに積極的でしょうか。貯まったポイントがお金がわりになったり、目標のポインツに達すると割りびきされたりするため、ためらうことなくポイントカードをもって使うという人はいることでしょう。

しかし、いっぽうで、ポイントカードをもたないことに積極的という人もなかにはいます。財布の膨れていくのがいやだから、という理由もあるでしょう。また、もつことによって、「この店で買わなければ」といった強迫観念のようなものがはたらき、買いものの自由をみずから制限することにつながるからといった理由もあるでしょう。

ポイントカードをもたないことに積極的な人にとって、買いもの時に店員から「有無の確め」「作成の伺い」とつづく一連の流れは「わずらわしい」と感じるものかもしれません。

  店員「ポイントカードはありますか」
  客人「いえ、ないです」
  店員「おつくりしましょうか」
  客人「いいえ、結構です」
  店員「かしこまりました」

さすがに「いいえ結構です」と明確に言えば、店員は「なぜつくらないのですか」とまでは言わず「承知しました」などと言って会話は終わります。

「ポイントカードはありますか」と聞かれるまでは受けいれるとして、せめて実現可能性のない「おつくりしましょうか」という誘いを店員に言ってもらわなくても済むような方法はないものでしょうか。

ある店で店員と客人が、レジスターのところでつぎのような対話をしていました。

  店員「ポイントカードはありますか」
  客人「なしで」
  店員「かしこまりました」

つまり、その客人は「いえ、ないです」ではなく「なしで」と答えていたのです。

この「なしで」には、ふたつの意味があるように受けとれます。

ひとつは、まだ店員は言っていないものの、店員から「(ポイントカードを)おつくりしましょうか」と言われることに対し、さきどりして「ポイントカードはなしで結構です」という意味で「なしで」と答えるものです。

もうひとつは、「ポイントカードはありますか」の答として「ないです」の意味で「なしで」と答えるもの。厳密には「ありますか」と聞かれたとき、「ないです」「ない」「ありません」などにくらべて、「なしで」と答えるのは、対応関係としてはすこしだけ違和感はあるでしょうか。しかし、自分がポイントカードをもっていないということを伝えることはできそうです。

ということで、すこしむりやりかもしれませんが「なしで」には「ポイントカードはないですし、なしで構いません」といった意味が一挙にふくまれていることになります。これにより、店員に、実現可能性のない「おつくりしましょうか」という誘いのことばを言ってもらわないで済ますことができそうです。
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