科学技術のアネクドート

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「工学」には設計がともない「技術」には具現化がともなう

写真作者:aussiejeff

学校などの場での教育では「STEAM教育」の大切さがよくいわれるようになりました。“STEAM”は、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字をとったもの。これらの分野を重点的かつ融合的に教育することで、児童や生徒たちの批判的思考力や課題解決力を養おうとするものです。

「科学」は大まかにいえば「理科」のこと。「数学」は数についての学問分野。「芸術」は美を創造したり表現したりするための学問分野。これらは多くの人びとに「だいたいこんな感じ」という印象をもたれることでしょう。

しかし、「技術」と「工学」については「ちがいがどこにあるのかわからない」と思いいだく人も多いのではないでしょうか。外来語で表せば「テクノロジー」と「エンジニアリング」。ますますちがいがわからなくなるかもしれません。

「レゴ・エンジニアリング」というサイトには、マサチューセッツ工科大学で生命科学と電気工学の学位をとり、米国退役軍人省で医工学者として25年の経歴をもってきたジョナサン・ディーツが、「工学と技術のちがいはなにか」という随筆を書いています。

「工学は、デザインの過程であり、物質についての知識や、それらがどのように振るまうか予測するモデル、そして革新的な思考を統合させるものである。それにより、人類が必要な解決策が、頻度高く革新的に創られる」

「対照的に、技術はものをつくる過程として考えることで理解は進むかもしれない。そこでは、道具、物質、プロセス技能といったものが使われ、工学者(あるいは芸術家や設計者のようなデザインの職業者)がつくる計画に物理的実在をもたらす」

そして、例として、建てもののもち主が雨水浸透緑地帯を組みこんだオフィスビルを建てようと考えている場合をあげます。工学者は、典型的な降雨から時間あたりの水量を計算したりして設計するのに対し、技術者はそのしくみを構築するものであるとしています。

これらからすると、工学あるいは工学者は設計をともなうものであり、技術あるいは技術者はものごとの具現化をともなうものであるといえそうです。ものごとが実現したり、課題が解決されたりするときの上流には工学的要素や工学者が存在し、下流には技術的要素や技術者が存在するといってもよいかもしれません。

参考資料
Jonathan-Dietz “What is the difference between engineering and technology?”
http://www.legoengineering.com/what-is-the-difference-between-engineering-and-technology/
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