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ゴルフの素振りは見かけるが、相撲の立ちあいのしぐさは見かけない


駅のホームで、ゴルフの素振りのようなしぐさをする人がいます。スマートフォンが普及したため、電車が来るまでの定番は「スマホいじり」になってはいる化もしれません。しかし、いまも傘が必要な天候の日などには、パターがわりなのかアイアンがわりなのか、傘を両手に持って振っている人はいます。

ゴルフの素振りほど多くないものの、野球の投手が球を投げるときのように、片手を肩のところまで上げてから前のほうへ下ろすようなしぐさをする人もたまにいます。たいていは、斜め上の角度から投げおろす「スリークォーター投法」くらいの投げかたです。小林繁や仁科時成のような「下手投げ」のしぐさをする人はさすがに見かけません……。

こうした運動競技のしぐさを駅のホームでする人の多くは、実際その競技をしているのでしょう。そして、電車を待っているとき、つい手持ち無沙汰で、体が動くのでしょう。まわりの人に迷惑をかけるほどの行為は慎むべきでしょうが、体が動くということは基本的には健康でよいものといえます。

ゴルフの素振りや投手の投球のまねをする人がいるのであれば、ほかの運動競技をしている人がその競技のからだの動きをしたとしても、理論的には不思議ではありません。

たとえば、水泳をしている人が、駅のホームで首を前かがみぎみにし、両方の腕と手を回しはじめたとします。この人はクロールで泳ぐ自分の腕や手の動かしかたをホーム上で確かめているのでしょう。さらに、両手を同時にまわしたり、両方の手のひらを合わせたあと手を離して水平に回したりしていたら、この人は個人メドレーの泳ぎしているのでしょうか。

また、相撲をとっている人は、駅のホームで四股を踏むかもしれません。さらに、立ちあいをもっとよくしたいと考えている人は、四股を踏んだあと両拳をホームの地面についてから、前へ前へとすり足で前進するかもしれません。

柔道をしている人は、駅のホームに背中から倒れこみ、そして両方の手のひらをホームの地面にぴしゃんと叩くかもしれません。その人は、受け身の練習をとにかくどんな場所でもしたかったのでしょう。

しかし、水泳のクロールも、相撲の立ちあいも、柔道の受け身も、駅のプラットフォームでしている人を見ることはめったにありません。四股を踏む人はたまにいるかもしれませんが……。

どうして、ゴルフの素振りや投手の投球のまねをする人はホーム上にいて、ほかの運動競技のしぐさをする人はそう多くはないのでしょうか。

競技人口には競技によって多さ・少なさがあるもの。ゴルフや野球などの競技は、そうしたしぐさをしても、自分で「ここでやるのは場ちがいだ」と感じたり、まわりから「この人おかしいのでは」と思われたりしないくらいに浸透しているということでしょうか。べつの言い方をすれば、駅の風景に溶けこむくらい、そうしたからだの動きを人びとは見なれているということでしょうか。
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