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末端にいれば意思疎通の手間は減らせる

写真作者:Amphithoe

仕事において、意思疎通のために費やす手間は、金額になかなか換算されづらいものです。本来は1回で済んだはずの意思疎通が、2回も3回もかかれば、手間も2倍、3倍と増えていくわけですが、それをいちいち計算して「一連の意思疎通でかかった費用は人件費換算で2204円でした」などと割りだすことは、いまの社会ではあまりされていません。

しかし、意思疎通に費やす手間を軽視することはできません。1回で済むはずの意思疎通が2回、3回と増えると、作業時間が増えるだけでなく、べつの作業をしていた場合の中断による余計な作業時間がさらに増えたり、意思疎通がうまくいかないことへの精神的ストレスが増えたりしうるものです。

むだに思える意思疎通にも、それで仲が親密になるという場合もありますから、それは真にむだな意思疎通とはいえますまい。そうしたよい効果にもつながらないような、真にむだな意思疎通の手間をできるだけ省くための方法を、人びとはもっと考えてもよいのかもしれません。

いっそのこと、自分の立場を必然的に意思疎通に費やす手間がかからないものにして生きていく、といった方法もあるのではないでしょうか。

仕事の人材配置には「末端」とよばれるものがあります。たとえば、複数人が携わる作業について、Aさんが方向性を示して、Bさんがそれをもとに企画を立てて、Cさんが進行管理をして、Dさんが実作業をする、とします。

この編成では、Bさんは、Aさんから指示を受けて、Cさんに指示を出します。またCさんは、Bさんから指示を受けて、Dさんに指示を出します。Aさんも、あるいはさらに上層の社長や責任者から指示を受けて、Bさんに指示を出しているかもしれません。

となると、唯一Dさんが、Cさんから指示を受けるけれども、ほかのだれにも指示を出さずに作業することができる、ということになります。

単純に、指示を受けるときの手間と、指示を出すときの手間がおなじであるとすれば、Bさん、Cさんにくらべて、Dさんは合計の手間が半分で済むことになります。

「末端」というと、下働きをさせられているといった印象がもたれがちかもしれません。しかし、意思疎通の手間を減らすのに、これほど優位な地位は、社会構造においてはあまりないのではないでしょうか。ほかに組織の最頂点に立つ人も、指示を受けないのでかかる手間はおなじになりそうですが、責任の重さや、出す指示の多さは末端よりもはるかにありそうです。
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