科学技術のアネクドート

<< 消化・吸収も、のんびり、ゆっくり | main | タケの拡大、その場で自然に、遠くには人為的に >>
2個の球でサッカーをするとまるで別競技
Jリーグや世界杯をはじめとするサッカー競技では、前後半あわせて90分の時間、両チームあわせて22人の選手が1個の球を蹴りあい、敵のゴールに球を入れることをめざします。最終的にゴールに入った球の数が多いチームが勝ちとなります。

ただ1個の球に対して、すべての選手がいかに最善の動作をすればよいか臨機応変に判断して、実際に動作するわけです。

サッカーでは「扱う球は1個」というのは、だれもが疑う余地のない常識。ごくたまに、フリーキックなどのときに2個の球が入れられて、審判が一時中断を命じて、試合がすこし滞ることはありますが……。

しかし、考える人は考えるもの。意図的に「扱う球を2個」にして競技するサッカーも世界にはあるのだといいます。

ウクライナで、通常のサッカーに飽きたらなくなった学生たちが「フットダブルボール」を2007年に始めたといいます。通常のサッカーとの最大のちがいは、色ちがいの球を2個、同時に扱うこと。

両チームのキーパーが自陣から球を蹴ることで試合が始まります。もちろん、ひとつのチームが2個の球を保って、2個とも敵のゴールに入れることをめざしてもよいわけです。そして、1個の球がゴールに入ったときは、べつの球がピッチを割るか、ゴールされるまでは、ふたたびピッチに入れることは待たれるといいます。

規則もさることながら、戦術についても通常のサッカーとは大きく異なってきそうです。1個の球を扱うだけであれば、各選手の位置どりや動きは、すべてが1個のその球の状態によって決まってくるものです。しかし、2個の球を扱うとなると、自分が2個のうちのどちらの球に携わるか判断する必要性が求められるかもしれません。あるいは、チームによっては「翼、石崎、井沢、高杉、長野、おまえたち5人は赤い球だけを、滝、来生、岩見、小田、中里、おまえたち5人は白い球だけを追え」といったように、キーパーを除いて分業制を敷くチームもあらわれるかもしれません。これも戦術です。

試合を観ている観客も慌ただしくなります。1個の球の行方に集中していたら、もう1個の球のほうは敵にゴールに入れられていた、といったこともあるでしょう。「ひとつの球の行方をみんなで追う」といった競技場での一体感は薄れそうです。

実際、ウクライナで行われたフットダブルボールの試合を伝えるフランス通信社(AFP:L'Agence France-Presse)の報道動画がユーチューブに上がっています。視聴者からは「だめな競技。これだと選手がなにをするのが正しいかがわからない」といった“だめ出し”の感想もあるいっぽうで、「この競技は伝統的なサッカーの時代にとってかわるべきもの。なぜもっと早く発明されなかったのだ」といった賛同的な感想もあります。また、より長い尺の動画もユーチューブで見ることができます。こちら。


ユーチューブ “Footdoubleball.flv” より

球が1個と2個以外はほとんど規則にちがいはないとしても、このちがいが競技の中身そのものを大きく変えるものになるにちがいありません。

参考資料
OddityCentral 2011年10月13日付 “You Think Football Is Too Easy? Try Footdoubleball”
http://www.odditycentral.com/funny/you-think-football-is-too-easy-try-footdoubleball.html
AFP 2011年9月29日公開 “En Ukraine, des étudiants inventent le foot avec deux ballons”
https://www.youtube.com/watch?v=sNlzi_vdeic&feature=player_embedded
Bira Martini 2011年11月6日公開 “Footdoubleball.flv”
https://www.youtube.com/watch?v=BvHtzPYV2tc
| - | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0)
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sci-tech.jugem.jp/trackback/4562
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     
<< April 2018 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで (JUGEMレビュー »)
サイモン シン, Simon Singh, 青木 薫
数学の大難問「フェルマーの最終定理」が世に出されてから解決にいたるまでの350年。数々の数学者の激闘を追ったノンフィクション。
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
amazon.co.jp
Billboard by Google
モバイル
qrcode
PROFILE