科学技術のアネクドート

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不自然に感じられても本来は自然なかたち


東京・谷中には、ふつうの道とは考えられないほど曲がりくねった道があります。「一発貫太くん」の副主題歌で歌われる「曲がりくねった道だけど」というのは、まさにこのような道のことを指しているのでしょうか。

この曲がりくねった道は、「三里」というそば店のあたりから始まり、北上すると、左へ、右へ、左へ、右へ。すこしまっすぐ北上してから、右へ、左へ、また右へ。すると、「ペチコートレーン」いう喫茶店が見えてきて、だいたいこのあたりで顕著な曲がりくねりは終わりとなります。

近くを南北に走る不忍通りの真っすぐさとは対照的。地図で調べてみると、「へび道」というよび名もついていることがわかります。まさに、蛇がにょろにょろと這って進むときの動きのような小さな曲線が連なる道です。

シケインカーブのようにかくっと曲がっている道としては、江戸時代、敵が街道から攻めてきたときに勢いを止めて迎え撃つためのものや、道の先に遊郭街があるため人々の視野から外すためのものなどがあります。しかし、それらの道は、この「へび道」ほど数多く曲がっているわけではありません。

へび道が曲がっているのは、かつてこの道が川だったからです。藍染川は、いまの豊島区にあたる上駒込村にあった長池を水源とし、田端、根津、谷中などを通り、不忍池に注ぎこんでいました。

しかし、氾濫が多く起こったため、1921(大正10)年から工事がおこなわれ、蓋がされてその上が道路となりました。いまの時代では、まさに蛇行するような川を暗渠にするとき、まっすぐな道にしたり、コンクリートの道にせず緑道にしたりするかもしれません。しかし、当時は、川のかたちをそのまま残して道がつくられたわけです。



曲がるところでは、車道と歩道を分ける左右の白線が極端なほど狭められています。歩行者が車に巻きこまれないようにするための注意ということでしょうか。

まわりの道路が直線的なものであることを考えると、へび道は不自然なくらいに曲がりくねっています。しかし、もともとは川の流れだったことからすると、へび道の曲がりかたは不自然なものではなく、むしろ自然なものと考えなければなりません。川でなく道と化していることや、まわりの道が直線的であることから、自然のかたちも不自然に感じられてしまうのかもしれません。

参考資料
文京ふるさと歴史館「根津界隈」
https://www.city.bunkyo.lg.jp/rekishikan/history/machi_b/index.html
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