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花粉から特有の抗原と特異的な抗原がつくられて花粉症に

写真作者:tsuda

3月上旬から中旬は、東日本や西日本などでスギ花粉の飛散量の頂点を迎える時期です。スギ花粉が原因で花粉症になるしくみとはどのようなものでしょう。

花粉が鼻の孔に入っていきます。すると、ある程度の花粉は鼻の粘膜にある線毛という複数の小さな突起によって鼻の奥に運びだされます。しかし、運びだされない花粉もあり、それらは「Cry j1抗原」や「Cry j2抗原」とよばれるたんぱく質を鼻の粘膜に浸透させます。

抗原は抗体をつくらせるもととなる物質ですから、Cry j1抗原やCry j2抗原に対しても抗体がつくられます。その抗体は「スギ特異的免疫グロブリンE抗体」といいます。Cry j1抗原やCry j2抗原が鼻の粘膜に入ると、樹状細胞やマクロファージといった異物を認識する細胞と会い、抗原についての情報が免疫細胞のひとつであるT細胞へと送られ、さらにその情報がT細胞からB細胞へと送られ、スギ特異的免疫グロブリンE抗体がつくられるのです。

では、スギ特異的免疫グロブリン抗体がCry j1抗原やCry j2抗原とくっつくとどうなるか。肥満細胞がヒスタミンやロイコトリエンという物質を放つようになります。これらの物質が過剰につくられることにより、くしゃみ、鼻水、鼻づまりが生じます。

つまり、花粉という物質を体に取りこむことで、体のなかに抗体がつくられ、さらに花粉をふたたび体に取りことで、抗原と抗体の特異的な反応が起き、それがくしゃみ、鼻水、鼻づまりなどにあらわれる病気が、花粉症ということになります。

花粉症などのアレルギー性鼻炎では、くしゃみの発作が1日何回あるか、鼻水が1日何回出るか、鼻づまりで起きる口呼吸がどのくらいの時間あるかといった尺度により、軽症、中等症、重症、最重症の4段階に分かれます。

参考資料
厚生労働省「的確な花粉症の治療のために(第2版)」
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000077514.pdf
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