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将来への希望を「幸せ」の要素に入れる


「幸せ」の度合いをどのように測るか。これは、社会学者や経済学者たちが、長いこと考えてきた問題です。

多くの学者は、「幸福度」あるいは「満足度」というもので、その人の幸せの度合いを表現しようとしてきました。たとえば、英国の経済学者リチャード・レイヤード(1934-)は、幸福に影響をあたえる7つの要素として「家族関係」「家計の状況」「雇用状況」「コミュニティと友人」「健康」「個人の自由」「個人の価値観」を挙げ、これらが幸福感の全体像を示すとしています。

ただし、家族関係に問題がなくても、家計の状況が潤っていても、雇用状況に不満がなくても、コミュニティや友人とのつながりがあっても、健康であっても、個人の自由が保たれていても、個人の価値観が守られていても、「自分は幸福だ」とは感じない人もいることでしょう。

これらの幸福度の要素は、だいたいにおいて客観的な数値として示すことができるものです。しかし、「幸福を感じる」かどうかは、多分に主観的な要素がふくまれるもの。いかに、「あなたは幸せですか」と聞かれた人の主観をとり入れて幸福度を求めるかが、研究者たちの大きな課題となっていたようです。

そこで、現状の評価だけで満足度を決めるのでなく、将来への希望や期待も幸福度の要素に入れてはどうかという考えかたが出てくるようになりました。たとえ「いま」は幸福度につながる要素が足りなくても、「未来」の自分は幸せになるはずという希望をもっていれば、その人の幸福度は高いといってよいのではないか、ということです。

「幸福度」をめぐっては、「主観的幸福度」という考えかたが近ごろ、よくもち出されているようです。学者のあいだでの共通的な定義はないながらも、将来に対する期待から得られる幸福感が、主観的幸福度を割りだすうえでの大きな要素と考える学者もいるようです。

参考資料
袖川芳之・田邊健「幸福度に関する研究 経済的豊かさは幸福と関係があるのか」
http://www.esri.go.jp/jp/archive/e_dis/e_dis182/e_dis182.html
内閣府 幸福度に関する研究会「幸福度に関する研究会報告(案)幸福度指標試案」
http://www5.cao.go.jp/keizai2/koufukudo/shiryou/4shiryou/2.pdf
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