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「デザイン」の使われかたが広まっているのかもしれない

画像作者:andy in cube

「デザイン」という外来語は、日本語として非常に定着したことばのひとつです。

デザインの同義語として「意匠」「図案」といった日本語もあります。インターネットの世界で、この3語がどれだけ検索されるかというと、「意匠」が約489万件、「図案」が約612万件であるのに対して「デザイン」は約2億6300万件にものぼります。

「デザイン」もともと、ラテン語の“designare”に由来するといいます。その意味は「計画を記号に表す」とされます。この原義をもつことばとして、ほかにフランス語の「デッサン」(dessin)もあります。

統計がとられているわけではありませんが、「デザイン」ということばの使われかたは、ほかのことばがそうであるのとおなじく、変容しているともいわれます。正確には、拡大といったほうがよいかもしれませんが。

昭和の時代ごろ「デザイン」といえば「考え、意図、ねらいを物理的なかたちに表す」といった意味あいが強かったのではないでしょうか。たとえば、印刷によって大量に複製されるデザインを意味する「グラフィック・デザイン」や、大量生産による工業製品のデザインを意味する「インダストリアル・デザイン」は昭和時代にさかんに話題にされてきましたが、これらには二次元であれ三次元であれ、物理的なかたちにするという意味がふくまれています。

いっぽう、近年では物理的なかたちを伴わないものを「デザイン」の対象にするという場合が増えているというのです。

たとえば、インターネットで”をデザインする”ということばで検索をかけるとどうでしょう。

一番目に「コミュニケーションをデザインするための本」という書名が、また二番目に「シェアをデザインする」という書名が出てきます。これらはネット書店による、デジタル・マーケティングの結果かもしれませんが。

ところが、さらに上位の四番目には「可能性をデザインする」、五番目には「そもそもをデザインする」と出てきます。これらも物理的なものを伴わないものに対して「デザイン」が使われている例といえましょう。上位五番のなかで唯一、三番目に「駅をデザインする」という、物理的なものを対象とした「デザインする」が出てきます。

より抽象的な対象についても「デザイン」が使われる傾向の表れかもしれません。そうした使われかたは、昔は皆無だったわけではないでしょうが。

これからも「デザイン」ということばは、日本で使われつづけることでしょう。日本語にした「意匠」や「図案」よりも、より抽象的で使い勝手がよいからです。

参考資料
世界大百科事典第2版「デザイン」
https://kotobank.jp/word/デザイン-100877
ウィキペディア「デザイン」
https://ja.wikipedia.org/wiki/デザイン
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