科学技術のアネクドート

<< 芸術家が社会との結びつきを意識 | main | 「チバニアン」直訳すれば「千葉時代」というより「千葉の時代」 >>
「日比谷松本楼」のハイカラビーフカレー――カレーまみれのアネクドート(103)


東京・日比谷公園はほぼ黄金比の長方形をした都会の森。秋には銀杏や紅葉などがつける黄や赤の葉が映えます。

園内にはいくつかのレストランや売店などの飲食ができる施設があります。なかでも伝統があり、「日比谷公園のレストランといえば」とすぐ思いうかぶのが、和風仏蘭西料理店「日比谷松本楼」でしょう。

松本楼の開業は1903(明治36)年。日本発の洋式公園として開園した日比谷公園と時をおなじくして開業となりました。以降、明治期の文芸活動の拠点になるとともに、美術家たちも松本楼に集ったといいます。

松本楼の名物料理のひとつがカレーライスです。カツカレーやシーフードカレー、また野菜カレーなどが献立にあるなかで、「ハイカラビーフカレー」がもっとも基本的なカレーライス料理といえそうです。

このカレーライスは、松本楼の話題としてよくのぼる「10円カレー」とおなじもの。「10円カレー」とは、1973(昭和48年)から1年のうち9月25日
にかぎって10円で供しているカレーライスのこと。2年前の1971(昭和46)年4月、人びとが沖縄の本土復帰を訴えた「沖縄デー」のとき同店が放火を受け焼失しました。

そして、再開業となった1973年9月25日、全国からの励ましに応えて、同店は「10円カレー」を始めたといいます。以降、毎年9月25日には限定で「10円カレー」を供しています。その売上は、交通遺児育英会や日本ユニセフ協会などに寄付されているため、この年に一度の行事は「10円カレーチャリティー」ともよばれています。

9月25日に出される「10円カレー」は、松本楼がそれ以前より出していた「ハイカラビーフカレー」です。10円とはいかずとも、9月25日以外の日でも「10円カレー」とおなじカレーを食べることができるわけです。

その味は上品なもの。さほど辛くないカレーソースのなかに牛肉のかけらが5個ほどあります。ライスの量はややすくなめのほう。漬けものは赤くない福神漬。

秋の季節、紅葉を見ながら都会の真中でカレーを食べることができます。

日比谷松本楼のレストランのサイトはこちらです。
http://matsumotoro.co.jp/restaurant/restaurant.html

参考資料
松本楼「日比谷松本楼の歴史」
http://matsumotoro.co.jp/history/history.html
ユニセフ「パートナー 日比谷 松本楼 10円カレーチャリティ」
https://www.unicef.or.jp/partner/ex1/partner_ex2.html
ウィキペディア「松本楼」
https://ja.wikipedia.org/wiki/松本楼
| - | 23:59 | comments(0) | trackbacks(0)
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   
<< September 2020 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで (JUGEMレビュー »)
サイモン シン, Simon Singh, 青木 薫
数学の大難問「フェルマーの最終定理」が世に出されてから解決にいたるまでの350年。数々の数学者の激闘を追ったノンフィクション。
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
amazon.co.jp
Billboard by Google
モバイル
qrcode
PROFILE