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「完成作品でなく原稿を見たい」と編集者は言う

写真作者:Steve Greer

自由業の人の能力を、企業などの組織の担当者が評価して、仕事を依頼するかどうか判断することがあります。もの書きについていえば執筆したものを、出版社の編集者やコンペティション主催者が評価して、原稿執筆を依頼するかどうか判断するわけです。

編集者やコンペティション主催者は、もの書きが過去に携わった記事を見つけたり、あるいはもの書きに提出させたりして、内容はどうか、文章はこなれているかなどを判断しようとします。

しかし、そこにはちょっとした「落とし穴」があるおそれがあります。ある編集者はつぎのように話します。

「そのもの書きが自身のホームページ内で紹介していた記事を見て、文章に安定感があったため、『この人なら大丈夫だろう。執筆を依頼しよう』と考えたのです。ところが、実際に書いてもらうと、その人の原稿の内容は支離滅裂なものでした……」

もの書きの書いた原稿が、そのままの文章で記事に載るとはかぎらないのです。もの書きが書いた原稿が最終的に記事とし載るまでには、編集者が原稿を手直ししたり、校閲者が原稿の内容を指摘したりします。つまり、原稿執筆から記事掲載に至る途中で、もの書き本人以外の他人が文章に手を加えることがあります。そして、どこまでその原稿に、他人が手を加えたのかは、なかなかわかりえません。

「あとで、そのもの書きに話を聞くと、自分が依頼前に見たその記事では、敏腕編集者が全面的に改稿をしたため、自分の原稿が残っている部分は1割もなかったとのことでした」

自由業の人の能力を評価するという観点でいうと、もの書きを評価するときよりも絵描きを評価するときのほうが、他人の手が加わってない本人の作品を評価できるといえます。絵のほうは、そうかんたんには編集者が修正したり、加筆したりできないからです。

「完成作品でなく原稿を見たいものだ」と、執筆者を探している編集者たちは言っています。
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