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科学ジャーナリスト賞2017、瀬川至朗さん「これからのジャーナリズムを考えてもらう機会になれば」
「科学ジャーナリスト賞2017」では、早稲田大学政治経済学術院教授の瀬川至朗さんにも賞が贈られました。ちくま新書『科学報道の真相 ジャーナリズムとマスメディアの共同体』の著作に対してです。

瀬川さんは、毎日新聞の科学環境部長や編集局次長をつとめてきました。そして、早稲田大学大学院科学技術ジャーナリスト養成プログラムで客員教授として教鞭をとり、2008年からは早稲田大学政治学研究科ジャーナリズムコースのプログラムマネージャーに就いています。

『科学報道の真相』は、STAP細胞、福島第一原発事故、地球温暖化を題材に、科学報道の特色を分析し、そのあり方を考察したもの。贈呈理由には「科学ジャーナリストを目指す人にとっては格好の教科書となろう」とあります。

瀬川さんのスピーチからの一部抜粋です。


前列、右から3番目が瀬川至朗さん

「このたびは自分の著書を高く評価していただき、賞をいただき、身にあまることと思っています」

「今回の本は、エビデンスにもとづいて記述することを強く意識しました。(題材は)新聞の報道が中心になりましたが、自力で分析し、それをもとに構成することになりました。そういうところを評価していただけたことをうれしく思っています」

「私はいま(大学院で)ジャーナリズム論をやっていて、政治、特定秘密保護法、安保、戦争とジャーナリズムなどを授業でとりあげることが多くあります。マスメディア、新聞やテレビがなぜ権力に対して弱いのか、いっぽうで、なぜなかなか市民の信頼を得られないのかという問題意識が強くありました」

「その後、(筑摩書房の)編集者と話しながら、科学報道について書くことになり、STAP細胞、原発、地球温暖化について書くことにしました。ただし、いま言ったようなマスメディアの構造的問題や、客観報道のこと、中立性の問題を(この本で)書きました」

「選考委員の方や理事の方から言われたのは『おめでとうございます。ただし言いたいことはいっぱいあります』ということでした」

「(大学院の授業では)ゼミ生全員でこの本を読んで疑問点を出すことを予定しています。議論を通じて、ジャーナリストを目指す学生たちにもこれからのジャーナリズムをしっかり考えてもらう機会になれば、自分の本も役に立つのかなと思っています」

「今回の受賞を機に、さらに精進したいと思いますので、今後ともよろしくお願い申しあげます」

筑摩書房による『科学報道の真相 ジャーナリズムとマスメディア共同体』の紹介サイトはこちらです。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480069276/
日本科学技術ジャーナリスト会議の「科学ジャーナリスト賞」のページはこちらです。
http://jastj.jp/jastj_prize
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