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科学ジャーナリスト大賞2017、藤村潤平さん「先輩記者の伝統を負った」


(2017年)5月16日(火)、東京・内幸町のプレスセンタービルで、「科学ジャーナリスト賞2017」の贈呈式がおこなわれました。

科学ジャーナリスト賞は、日本科学技術ジャーナリスト会議が、科学技術に関する報道や出版、映像などで優れた成績をあげた人を表彰するもの。

今回、大賞が1作品分で計3人、また、賞4が3作品分で計5人に贈られました。受賞者のスピーチの一部を抜粋して伝えます。

大賞が贈られたのは、中国新聞編集局で報道記者をつとめる藤村潤平さん、ヒロシマ平和メディアセンター記者の金崎由美さん、報道記者の馬場洋太さん。中国新聞が2016年3月から11月にかけて連載した「グレーゾーン 低線量被曝の影響」に対して贈呈です。

壇上、藤村さんがスピーチをしました。


左から馬場さん、金崎さん、藤村さん

「このような名誉ある賞をありがとうございます」

「低線量被曝の問題をなぜやろうとなったかというと、デスクの宮崎智三が提案したものです。1999年、東海村臨界事故があり、宮崎は『被曝と人間』というテーマで半年間、取材をしました。そのなかに低線量被曝の問題がありました。広島・長崎の被爆者12万人に対する疫学調査がおこなわれましたが、100ミリシーベルトの影響がはっきりせず、“被曝”がいいように使われているのではという違和感があるなか、福島(第一原発)の事故が起き、(その思いが)増幅されて、社内提案をし、2016年にこの企画をやることになりました」

「執筆当時、福島のみなさんに話を聞くとき、家族、生活、地域、さまざまなことで悩まされているなかで、低線量被曝についてどう思うかを聞くというのは辛いことでした」

「低線量被曝という結論の出ないことに向きあえたのは、中国新聞の先輩の伝統を負っているからではと感じています。72年前に原爆が落とされ、被爆者やその家族は原爆の傷や後遺症、偏見とたたかってきました。中国新聞の記者は寄りそって伝えてきました。そういうものを僕たちも受けついでいるという思いが、この連載を続ける、背中を押してくれるものになったのではないかと思っています。受賞を機に、時代が変わっても、(思いを)受けついで、受けわたしていきたいと思います」

中国新聞の連載「グレーゾーン 低線量被曝の影響」のサイトはこちらです。
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=65878
日本科学技術ジャーナリスト会議の「科学ジャーナリスト賞」のページはこちらです。
http://jastj.jp/jastj_prize
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