科学技術のアネクドート

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酒から酢に


酢は、寿司をつくるのに使われたり、餃子につけるのに使われたりと、身近な調味料です。しかし、酢がどのようにつくられるかは、意外と知られていないのではないでしょうか。

ごく大まかにいうと、酢は、酒を発酵させることによりつくられます。

たとえば、日本でつくられてきた酢のうち、もっとも古くから原料として使われてきた米をもとにつくる「米酢(こめず)」のつくりかたを見てみます。

いったん、酒をつくることになるので、米を蒸して蒸米にし、そこに麹菌を加えて米麹をつくり、さらに酵母菌を加えて発酵させて酒にします。このあとからが、酢に特有のつくりかたとなります。

酒に、種酢とよばれる仕込み液を加えて混ぜます。種酢は、酢酸発酵が済んだもろみのことで、酢酸菌という細菌が含まれています。種酢のなかの酢酸菌が、酒の成分であるエタノールをいわば“餌”のようにして酸化発酵していきます。そしてエタノールが減っていくと、かわりに酢酸がつくられていきます。ただし、できあがったばかりの酢では刺激的な臭いが強すぎるため、1か月以上にわたり寝かせて、まろやかな味にしていきます。

なお、アルコール分は酢酸菌による発酵作用で分解されていくため、酢にはアルコール分がふくまれません。この点が、「酒と酢」といわれても、縁があまりなさそうに思われてしまいがちとなる理由なのかもしれません。

酢のほとんどが水分ですが、酢酸菌の発酵作用によりつくられる酢酸も、米酢にかぎらず、4〜5パーセントはふくまれます。

酢酸菌は酸化発酵をするので、それによりつくられる酢酸は当然、酸性です。しかし、酢は「アルカリ性食品」に分類されています。

アルカリ性食品または酸性食品というのは、食品そのものでなく、食品にふくまれるミネラルがアルカリ性か酸性化によって分けられます。酢については、カルシウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ性の高いミネラルが含まれているため、アルカリ性食品なのです。

参考資料
佐世与一郎「酢――古くて新しい調味料」『おいしさの科学』第12号
http://ci.nii.ac.jp/naid/40017033160
デジタル大辞泉「種酢」
https://kotobank.jp/word/種酢-562056
全国食酢協会中央会・全国食酢公正取引協議会「食酢について 製造工程」
http://www.shokusu.org/oxalis/koutei.html
からだカルテ「酸性食品、アルカリ性食品って何?」
https://www.karadakarute.jp/tanita/ksqa/ksqa051.jsp
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