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地球は自転を遅くし、月と離れていく


写真作者:NASA / Bill Anders

地球の「1日」は、地球が自転により1回転したときの時間で決まります。地球での1日は、時間で表すと24時間。といっても「1日」や「24時間」は、ほぼ人がつくりあげた概念といえるものですが。

かつて、地球での1日は24時間より短かったといいます。地球の歴史が始まって間もないころには、1日が5、6時間という時代もあったといいます。つまり、地球の自転の速度がいまよりはるかに高かったということです。

むかしよりもいまのほうが自転の速度が低くなっているということは、すこしずつ地球の自転に制動がかかっていることになります。そしてのその制動は、おもに海の水が起こす摩擦力によるものと考えられています。

海の水は、地球の自転とは異なる動きをしています。地球が自転する速度よりも、海の水が動く速度のほうが遅いのです。そのため、海の底や海岸線などでは水の動きが摩擦をかけていることになります。これらの摩擦が地球を制動する方向にはたらくというわけです。

地球の自転が遅くなっていることは、地球と月の距離の変化にもかかわっています。

自転する地球のまわりを月は公転しています。ここで、地球と月を一体として見ると、そこには角運動量という物理の量が保存されています。

角運動量が保存されるというのは、フィギアスケートの選手が回転するときの動きからわかります。体を回転させているとき、体の遠くの位置にあった手を体のほうに近づけると、選手の回転する速度は高くなります。逆に、体の近くの位置にあった手を体から遠ざけると、選手の回転する速度は遅くなります。

おおざっぱに、自転する地球をフィギアスケート選手の胴体と考え、地球のまわりを公転する月を選手の手と考えてみます。すると、選手の体の回転が遅くなるほど、選手の手は体から離れていくことになるのとおなじように、地球の回転が遅くなるほど、月は地球から離れていくことになります。

地球の自転の速度は遅くなっているため、地球からの月の距離はどんどん遠ざかっていることになるわけです。実際、月は地球から毎年3センチメートルほど遠ざかっているといいます。

1日の時間や、地球と月の距離といった大きなものであっても、不変であることはない。森羅万象は、すべて無常なのです。

参考資料
月探査情報ステーション「月は地球から少しずつ離れているということですが、逆に、昔はもっと地球に近かったのでしょうか? 月の見え方は今とは変わっていたのでしょうか?」
http://moonstation.jp/faq-items/f319
月探査情報ステーション「月が地球から離れていくのはなぜですか?詳しく教えて下さい。」
http://moonstation.jp/faq-items/f320
三菱電機 See the moon 2007「スペシャル対談 渡部潤一 × 鏡リュウジ 天文学と占星術が月で出会うとき」
http://www.mitsubishielectric.co.jp/dspace/moon/interview/2_b.html

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