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「100時間カレー」のスペシャルAカレー――カレーまみれのアネクドート(92)


前回の「カレーまみれのアネクドート」にもあるように、「ちょっと贅沢なカレーを出すチェーン店」が現れています。ただたんに安くて早いだけでは、飽食の時代に生きる人びとを満たさないのでしょう。

東京やその周辺にある「100時間カレー」もまた、贅沢カレーチェーン店の類に入ります。2010年設立のアークスという会社が展開しています。東京・小山台の武蔵小山店を皮切りに、2017年1月末の時点で12店、出しています。

献立に数ある料理のうち「スペシャルAカレー」は、エッグ、こだわり野菜、チキンカツの具材3種が乗ったカレー。ランチの時間帯では「3つトッピングカレー」でこの三つを選ぶと「スペシャルカレー」とおなじになります。

見た目のとおり、この具はそれぞれライスの上で目立っています。3種類で、ルゥのなかに浸っているものはありません。トッピングとはまさにこのこと。

カレー抜きにして考えると、卵、チキンカツ、油であげた野菜それぞれが、ひとつの料理としてなりたちうるもの。言うならば、自己主張の強い具材ばかりが、ライスのうえで出合ってしまっているわけです。

これらの“立っている”具材を束ねている存在がルゥです。ゆで卵とルゥ……。ルゥの辛さを卵が中和して、相性よし。チキンカツとルゥ……。カレーがソースの役割を果たして、相性よし。野菜とルゥ……。甘さと辛さが渾然一体となって、相性よし。

どんな具にも相性のよいルゥ。どのようにつくられているのでしょう。会社のサイトには「100時間カレーができるまで」が堂々と書かれています。それは、かいつまむとつぎのようなもの。

香味野菜と果物を飴色になるまでひたすら炒める。

別の寸胴で大量の牛を香草やセロリといっしょにじっくり煮込む。

煮込んだ牛のだしを最初の寸胴に加えてさらに煮込む。

煮込み終わったカレーを数日かけて冷温熟成する。

この説明には、リンゴ、バナナ、マンゴーなどを煮込むといった具合に、具体的に書かれています。ここまで手の内を明かすということは、「まねしようともむずかしいでしょ」という自信のあらわれかもしれません。

利己的ともいえる個性的な具材に対して、ルゥの果たす役割は大きい。それを実感できるカレーです。

100時間カレーを展開する「アークス」のサイトはこちらです。
http://arcs-co.jp/shop/index.html
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