科学技術のアネクドート

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「辨慶東山店」のすじカレーうどん――カレーまみれのアネクドート(88)


京都の食べもの屋には、地元の人びとだけでなく、国内外の観光客も入ってきます。つまり、“一見さん”が多いわけで、その分、それぞれの店の評判の振れ幅も広くなりそうです。

そんな京都の食べもの屋のなかで、深夜にもかかわらず、客がひっきりなしに入ってくるうどん屋があります。東山区東橋詰町の「辨慶東山店」です。五条通(国道1号線)の鴨川にかかる大橋を渡って東山五条の交差点へと向かう道すがらにあります。

辨慶はうどん屋。540円のかけうどんから、1030円のタージンスペシャルまで、さまざまなうどんの品書きが壁に掲げられています。

カレーがらみのうどんが4種類ほどあるなかで、「すじカレーうどん」への注文は絶えないようです。

「すじ」とは、関西では牛肉の筋が集まっているところの肉のこと。この肉を使ったうどんは、カレーがらみ以外にもあります。それは献立に「ソッパ(すじ肉)」とあるもの。「ソッパ」は、京都地方で「すじ肉」に対して使われているご当地用語のようです。「反っ歯」と書いて「出っ歯」の意味もあります。

ソッパのうどんに、カレーの汁をかけたのが「すじカレーうどん」。麺は、うどん屋によくある麺よりも細め。そして、うどん屋のカレーうどんの他聞にもれず、麺は完全にうどんの汁のなかに隠れています。

箸で、カレーの汁の下に埋もれたうどんをすくって、汁の面から上に出して食べるわけですが、汁は相当にとろみがあり、箸で麺をすくい上げるのにも腕力が必要です。

そうして食べるうどんは、とろみの強いカレーと絡みあって、「うどんとカレー汁を食べている」という感覚になります。

そして、うどんとカレー汁を箸でかき混ぜると、見えてくるのは「すじ」。味付け汁で煮込んで、すじ全体にそれが染みこんでいるからでしょう。完全にカレーとうどんの組みあわせの味からは独立した「すじ」の味があります。カレーうどんを食べているなかで、味のまったくちがう「すじ」を食べるというのも、おつなものかもしれません。

辨慶の「すじカレーうどん」は、このように「すじ」と「カレーうどん」からなる一品。このふたつの風味は大きく異なるものの、ひとつの器に入った一品としての完成度は高いものです。

辨慶東山店の食べログ情報はこちらでどうぞ。
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260301/26000803/
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