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地図に残されたかたちをたどる(2)千葉県船橋市行田
地図に残されたかたちをたどる(1)福岡県八女市龍ケ原

地図や航空写真に見える、「決まったかたち」がある場所の歴史を追っています。

関東地方で、円形の輪郭をつくる道路として知られているのが、千葉県船橋市の行田公園の周囲にある一周2.5キロメートルほどの環状道路です。中山競馬場から南東に500メートル足らずのところにあります。

環状道路の西側で、JR武蔵野線に邪魔されるように道が不規則になっていたり、東側で、諏訪神社という神社の敷地の関係からか道がやや円形の内側にへこんでいたりするものもの、それ以外はほぼ完全な円形の輪郭をしています。


グーグル・マップ航空写真より

人間や土地の自然な営みでつくられる地形からすると、この完全な円形は明らかに人為的といえそうです。そして、やはりこのかたちも軍関係の施設と関係しています。

かつて、この地には、「海軍無線電信所船橋送信所」とよばれる無線電信所がありました。その歴史は古く、1915(大正4)年の開所といわれます。前年までドイツの総合企業シーメンスが建設にかかわっていましたが、第一次世界大戦が始まり敵国関係となったことから、シーメンスの技術者が図面を焼いて国へと帰ってしまい、海軍がやっとのことで開所したとされています。開所年には、ハワイとのあいだでの無線通信に成功し、軍用の通信がはじまりました。

この送信所からは、太平洋戦争開戦期、真珠湾攻撃をしかける部隊に「ニイタカヤマノボレ1208」の電文が送信されたりもしました。敗戦後、1966年に返還され、1972年に解体が終わっています。

1944年の船橋市を写した航空写真でも、船橋競馬場の右下に、円形の敷地があり、その中心部に施設とみられる建屋があることがわかります。

こうした無線通信施設は、船橋送信所だけでなく、よく円形をしています。これは、一説に、設置型のアンテナ設備を張りめぐらせるときにふさわしいかたちということです。

さらに、地図や航空写真には、目を凝らしてみると、決まったかたちをしているような気がする程度の輪郭をなす場所があるものです。つづく。

参考文献
ウィキペディア「海軍無線電信所船橋送信所」
https://ja.wikipedia.org/wiki/海軍無線電信所船橋送信所
K.ARIMORIのお天気日誌「曇天のダービー・デー。西日本は明日から崩れる」
http://blog.livedoor.jp/kunio0027/archives/52077541.html
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