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「マーブル」のインドカレー――カレーまみれのアネクドート(74)


日本の飲食店で供されるカレーライスには、インドカレー、欧風カレー、蕎麦屋のライスカレーなど、さまざまな形態があります。これらのカレーと同列に並べてよいかどうかは議論はあるかもしれませんが、昼休みの短い会社員にとって便利なのは「スタンド・カレー」でしょう。

スタンド・カレー。より正式めいたよびかたは「スタンド・スツール・カレー」(Stand Stool Curry)となります。「スツール」とは、背もたれのない腰かけのこと。きちんとした定義はありませんが、立っているぐらいの姿勢で腰をひょいとかけて座るような店で供されるカレーを概して「スタンド・カレー」とよぶようです。

スタンド・カレーの店といえば、客の回転が早く、値段の割には量も多いといったことが要。東京・有楽町の有楽町ビル地下1階には、まさに典型的なスタンド・カレーの店「マーブル」があります。

昼どきには、あたりの会社につとめているであろう手ぶらの会社員が並びます。店に入ると、古風な褐色のカウンター席。机と厨房を隔てる壁に献立表が貼られてあり、「インドカレー」「ラムカレー」「ビーフカレー」「チキンカレー」「ハヤシライス」などとあります。店員がてきぱきと客から注文をとっていきます。

「インドカレー」は、丸い皿にライスがよそわれ、その上にせんキャベツとルゥが盛られています。ルゥは、かなりとろとろで中くらいの大きさの豚肉のかけらが散見されます。

「インドカレー」というと、さらさらとしたルゥが銀色の小皿に入って、ナンやバスマティ米などとともに食べるものという印象をもつ人は多いでしょうが。しかしながら、マーブルの「インドカレー」は、見事なまでにそうしたインドカレーのイデアとは相通じません。

店の創業は1966(昭和41)年といいます。有楽町ビルが竣工した当初から店はあったといいます。ひょっとすると、当時はまだ日本人にインドカレーのイデアのようなものができあがっていなかったのかもしれません。そうした時代においては「これがインドカレー」と名のれば、それが通りやすいもの。

しかし、マーブルの「インドカレー」について「インドカレーっぽくないなぁ」などとやいのやいの言う客はおそらくはいないでしょう。多くの客にとって、スタンド・カレーとは、味よし、量よしのカレーをさっと早く食べられれば、それで満足できるものだからです。

来年2016年で50周年。「マーブル」の食べログ情報はこちらです。
http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130102/13038090/

参考資料
サンゼロミニッツ「日比谷 カレーの店 マーブル@有楽町ビル」
http://30min.jp/item/14141140
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