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「ファンのみなさま優勝おめでとうございます」の違和感が低下


プロ野球セントラル・リーグでは、東京ヤクルトスワローズが(2015年)10月2日(木)、神宮球場で行われた阪神タイガース戦で勝ち、2001年以来14年ぶりとなるリーグ優勝を決めました。

14年前の優勝のときは、当時の若松勉監督が、観衆に向かって「ファンのみなさま、ほんとうにあの、あの、優勝おめでとうございます」と言い、話題になりました。

そして、今回の優勝監督である真中満監督も、観衆に向かって「ファンのみなさん、優勝おめでとうございます」と言いました。

自分の率いるチームを応援する人たちに「おめでとうございます」と言うことについて、おかしな感じを抱く人は多いことでしょう。国語では一般的に、AさんからBさんに「おめでとう」と言うとき、AさんはBさんの祝福の原因をつくった当事者ではないということが前提にあるからです。

しかしながら、若松監督と真中監督、両者の「優勝おめでとうございます」を聞いたことのある多くの人の多くは、おそらく今回の真中監督のほうが違和感を覚えなかったのではないでしょうか。根拠はいくつかあります。

まず、2回目であること。前回の若松監督の発言を踏襲するかたちで、真中監督が「優勝おめでとうございます」と言ったので、若松監督の発言を聞いていた人は「あ、今回もか」と聞く心構えができていたことでしょう。

また、若松監督より自信をもって真中監督が発言していたことも、違和感のすくなさをもたらしました。若松監督とちがって「あの、あの」というしどろもどろ感がありませんでした。

もうひとつ、時代の移りかわりのような背景があるとするのは度が過ぎるでしょうか。プロ野球における監督や選手たちと、応援の観客たちの距離が近くなり、監督や選手が観客の立場に寄りそう度合いが高まったというわけです。チームを優勝に導いた監督という存在とはまたべつに、応援の観客たちの悲願をよろこぶという意識が、現場の監督や選手たちのなかで強くなってきたからこそ、「優勝おめでとうございます」という発言が自然と出るようになり、自然と受けとめられるようになった、ということもあるのかもしれません。

これからまた、「ファンのみなさん、優勝おめでとうございます」と発言する監督が現れれば、すくなくともプロ野球に興味のある人たちのなかでは、この発言は違和感のないものになっていくことでしょう。
| - | 23:59 | comments(1) | trackbacks(0)
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コメント
昨年の広島緒方監督も‘ファンの皆さん、お待たせしました。優勝おめでとうございます’とマイクで語っていましたね。ファンあってのプロ野球ですし、受けを狙うとかではなくシーズンを勝ち切った指揮官ゆえの心からの喜びの言葉なのではないでしょうか。
| 鯉また恋 | 2017/01/22 12:04 PM |
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