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神楽坂「翁庵」のカレー南ばん――カレーまみれのアネクドート(64)


東京・神楽坂は、戦前いろまちだったところ。地名にもなっている神楽坂は、JR飯田橋駅の神楽坂口からを出て、お堀と外堀通りを過ぎたところから始まります。

神楽坂下から坂をのぼってすぐのところに「翁庵」という蕎麦屋があります。この店の創業は1884(明治17)年。じつは創業から130年位上の老舗。テーブル席とともに、広く空間をとっているのが座敷席。昼間の時間帯、背広を着た会社員風情の人や界隈を散歩中とおぼしきご年配夫婦などでにぎわいます。

そば屋の他聞に漏れず、この店の献立にも「カレー南ばん」があります。丼鉢のなかには、カレー汁がたっぷり。すこしだけそばが顔を覗かせています。そして、厚みのある鶏肉、それにカレー南蛮に欠かせない長ねぎが何本も。

「南蛮」は、室町時代から江戸時代シャムやジャワなどの南方地方を指したことばでした。これらの地域を経てポルトガル人やスペイン人などが渡来したため、ポルトガルやスペインのことも「南蛮」とよぶようになりました。

そばの世界では「南蛮」は「ねぎ」のことを指します。これは、江戸時代に渡来した南蛮出身の人たちが、健康をたもつためにさかんにねぎを食べていたことに由来するとされます。本来は「南蛮そば」で「ねぎそば」を指すことになるはずですが、「そば」は略されたのでしょう。うどんとそばを区別するために「南蛮そば」という場合もありますが。

カレー南蛮については、19世紀終盤の明治30年ごろ、東京でそばとカレー粉の両方を扱う店で売られだしたのが始まりとされています。神楽坂の翁庵も創業年からすると、古くからカレー南ばんは献立のひとつに入っていたとしても不思議ではありません。

これもそば屋の他聞に漏れず、長ねぎが入っているのが当然のカレー南ばんに、薬味として刻みねぎが添えられます。おなじねぎでも、カレー南ばんの主役のひとつになるものもあれば、脇役のひとつになるものも。

やや細めのそばに、とろりとしたカレー汁が相まみえ、そこに肉のうまみと長ねぎの甘み、それに薬味の刻みねぎのほろ苦さが加わります。これぞ定番のカレー南ばんといったところ。

「翁庵」の食べログ情報はこちらです。
http://tabelog.com/tokyo/A1309/A130905/13040894/

参考資料
All Aboutグルメ「東京の100年店ランチ 翁庵(そば/神楽坂/創業1884年)」
http://allabout.co.jp/gm/gc/440112/
杉本商店「カレー南蛮の歴史」
http://sugimoto-shop.com/history.html
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