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寿命の伸びには“上限”がある


日本にかぎらず、世界的な傾向として平均寿命は高まっています。1990年に生まれた子供の平均寿命とくらべて、2012年に生まれた子供の平均寿命は期待値として6歳も伸びたといいます。

これは、人の寿命が際限なく伸びつづけていくということを意味しているのでしょうか。

そうではないようです。

2014年8月にフランスの国立スポーツ体育研究所のジュリアナ・アンテロ-ジャクリーンたちの研究チームが、「五輪選手と超百寿者の寿命傾向」という論文を発表しました。

五輪選手は一般的に長寿の人が多いとされています。また、超百寿者とは110歳以上の人を指します。研究では1900年から2013年までに亡くなった五輪選手と超百寿者を対象に、その寿命の傾向が調べられました。

すると、超百寿者については、寿命が伸びてきたものの1997年にその寿命の伸びが頭打ちになったそうです。また五輪選手でも同様の傾向が見られたといいます。

長寿の傾向をめぐっては、ふたつの仮説があります。寿命が伸びつづけているとする「寿命進行」説と、伸びに制限がかかる「確率的な壁」説というものです。

今回の研究結果は「確率的な壁」説を支持するものになったわけです。五輪選手や超百寿者のあいだで平均寿命が伸びたのは、早死にしない人は増えたからということはあっても、極端に寿命が伸びたからということではなさそうです。

なお、五輪選手は一般人より短命に終わるという話もありますが、2012年12月に発表された『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』によると、五輪でのメダル受賞者にかぎっては、平均寿命より2.8年長く生きるということです。

参考資料
世界保健機関「2014年版『世界保健統計』日本が長寿世界一を維持」
http://www.who.int/kobe_centre/mediacentre/whs_2014/ja/
AFP BBニュース 2014年8月25日付「寿命の延長には『上限が存在』、仏チームが論文」
http://www.afpbb.com/articles/-/3023962
Juliana da Silva Antero-Jacquemin, et al.“Learning From Leaders: Life-span Trends in Olympians and Supercentenarians”
http://biomedgerontology.oxfordjournals.org/content/early/2014/08/19/gerona.glu130.full
R Zwiers, et. al “Mortality in former Olympic athletes: retrospective cohort analysis”
http://www.bmj.com/content/345/bmj.e7456
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