科学技術のアネクドート

<< できるだけ代筆の本には授けない賞も | main | 2014年、「チューリング・テスト」に史上初の合格 >>
人体の細胞の数はおよそ37兆2000億個

画像作者:Kyle McDonald

おとなの人の細胞の数は、長いこと「およそ60兆個」といわれていました。まずまず切りのよい数として、生物学に興味のある人などにはよく知られる数値です。

しかし、実際のおとなの人の細胞の数は、60兆個よりもかなり小さいということが2013年末ごろよりいわれています。

『人体生物学紀要』(Annals of Human Biology)という雑誌の2013年11・12月号に、イタリアの生物学者エヴァ・ビアンコニを筆頭著者とする「人体の細胞数の推定」(An estimation of the number of cells in the human body)という論文が載りました。

この論文によると、つくりの単純な生物の細胞数はよく知られているものの、人のような高等生物については、あまりしっかり調べられていなかったのだそうです。

そこで研究チームは、標準的な成人を構成する細胞の標準的な数についての理論的問題を議論するために、細胞数をあらためて調べることにしました。その方法は、人の体全体の細胞数、それぞれの器官の細胞数を、文献的そして数学的なアプローチを使って統計的に計算するというもの。

そして、この計算により出た成人の細胞数は「37兆2000億個」だったといいます。

研究グループは、つぎのような結論を述べています。

「個々の器官とともに人体の細胞の総数を知ることは、文化的、生物学的、医学的、比較モデリングなどの観点から重要である。示された細胞数は、完全なる合計演算を目指す共通の取り組みへのスタート地点になりうる」

人体の細胞数を60兆個としていた計算は、人の体重を60キログラムとしたものでした。60キログラムはおよそ60リットル。そして、細胞の大きさ1辺10マイクロメートルとすると60兆個分になるというものです。

しかし、論文によると、人体の細胞数はこれまで60兆個というほか、じつは1兆個から1京個のあいだの広い範囲でいわれていたそうです。

60兆個にくらべると37兆2000億個は、半端な数ではあります。しかし、研究紀要に載ったことから、より信頼のおける数ともいえそうです。

参考資料
Eva Bianconi, et al. “An estimation of the number of cells in the human body.” Annals of Human Biology, November-December 2013, Vol. 40, No. 6 , Pages 463-471
http://informahealthcare.com/doi/abs/10.3109/03014460.2013.807878
| - | 18:00 | comments(0) | trackbacks(0)
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sci-tech.jugem.jp/trackback/3295
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで (JUGEMレビュー »)
サイモン シン, Simon Singh, 青木 薫
数学の大難問「フェルマーの最終定理」が世に出されてから解決にいたるまでの350年。数々の数学者の激闘を追ったノンフィクション。
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
  • アナウンサーも日常的に「やつ」
    ★ (08/03)
  • “遅れて来た”日産自動車、“満を持して”リーフ
    うぼで (06/13)
RECENT TRACKBACK
amazon.co.jp
Billboard by Google
モバイル
qrcode
PROFILE