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樹状突起と軸索のあいだに神経細胞体


人が目でものを見たり、皮膚でものを感じたりできるのは、体に神経が通っているからです。人のからだの神経の種類には、脳から脊髄にかけて走る中枢神経と、からだのすみずみまで走る末梢神経があります。

神経細胞は、外からの情報の伝達や処理を行うための細胞です。広い意味での神経細胞は、神経細胞体、樹状突起、軸索というおもに三つの部分からなりたっています。

神経細胞では、樹状突起の先端で神経伝達物質を受けとり、軸索の先端のシナプスから、その受けとった神経伝達物質をつぎの神経細胞へと送るというしくみが知られています。1個の神経細胞に、樹状突起は複数あり、軸索はひとつあります。

では、樹状突起と軸索の中心にある神経細胞体はどのような役割をもっているのでしょうか。

神経細胞体には、デオキシリボ核酸(DNA:DeoxyriboNucleic Acid)を含む細胞核があります。ですので細胞分裂をおこなって、細胞が増えていくことになります。つまり、神経細胞のなかで、まず、細胞分裂を担っているのが、この神経細胞体ということになります。

ただし、神経細胞は、個体の発生初期のころに細胞分裂をして増えたあとは、細胞分裂をすることがありません。このため、細胞非再生系などとよばれています。

また、樹状突起や軸索などが長く伸びていくためには、その材料としてタンパク質が必要となりますが、神経細胞体はそれらタンパク質を合成する役割をもっています。神経細胞体でつくられたタンパク質の材料が、モーター分子とよばれるべつのタンパク質によって、樹状突起あるいは軸索へと運ばれていき、それぞれが長く伸びたり、役割を果たしたりできるようになるのです。

また、神経細胞体は、樹状突起から軸索まで至る道のりの途中に存在することになりますので、神経伝達物質を送る中継地点ということにもなります。

神経細胞は細胞のなかでも大きいことが知られています。神経細胞体については、ヒトのもので3マイクロメートルから18マイクロメートルほど。人のからだの一般的な細胞の大きさは6マイクロメートルから25マイクロメートルほどとされるので、神経細胞体そのものはあまり大きくはありません。ただし、神経細胞体から運ばれていくたんぱく質などの材料が、ときに合わせて1メートルもの長さになる軸索や樹状突起をつくりだすのです。

参考資料
ウィキペディア「神経細胞」
http://ja.wikipedia.org/wiki/神経細胞
原子力百科事典 ATOMICA「放射線の細胞系への影響」
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-02-02-08
科学技術振興機構 理科ねっとわーく「細胞って何」
http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0340/contents/f0/03/f03000.html
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