科学技術のアネクドート

<< 大田区ものづくりの復活戦略 | main | インテルのロゴがパソコンCMでしばしば流れるワケ >>
オンライン・ジャーナリズム・ワークショップ始まる。


通っている早稲田大学大学院科学技術ジャーナリストプログラムでは、正規の授業のほか、数々の「ワークショップ(勉強会)」が開かれています。(2006年10月)18日には、連続7回の「オンライン・ジャーナリズム・ワークショップ」が始まりました。

第1回目は、発起人の早稲田大学大学院・小林宏一教授がアジェンダセッティングとして、ワークショップ全体に通じる問題を提起。大学院生、助手、教授を含め10名がテーブルを囲み、ディスカッションをしました。

「20世紀型の編集機構では、情報の出発点はマスメディアで、ゴールは市民などの受け手という、比較的単純な構造だった」と小林教授は旧来のマスコミ構造を分析。受け手である市民の意見をフィードバックする方法は、ごく限られていたわけです。

ところが、オンラインネットワークにより、情報の送り手と受け手の境目が見えづらくなったとよく言われます。小林教授はこれを「発信側編集と受信側編集の融合」と言います。

一例がブログの「コメント」でしょう。発信者の情報を受けると、受け手は自由に意見を言うことができます。むしろ、そのようなしくみが特徴の前提となっているといえるかもしれません。

こうした中、20世紀型編集機構の中心的役割を担ってきた編集は、「編集を編集する」といった「メタ編集」的な役割を担っていくと小林教授は分析・予想します。つまり、編集されてウェブに上がったニュースを、さらに編集して提供するということ。図書館のレファレンスにある「辞典の辞典」と似ていますね。

科学技術という視点で見てみると、とくに顕著なのが、主流メディアから発信される記事に対するブログから発信される記事の数の割合が比較的高いということ(米国トピックス・ドット・ネットによる)。小林教授は、科学技術の分野には、「個としての編集をし得る者たち」が多いのではないかと仮説を立てました。また、「日本社会に照らし合わせたとき、科学技術のネットジャーナリズムはどのようなスタイルをとっていくだろうか」と問題提起しました。

最近のインターネット界周辺では、しきりに「Web2.0」という言葉が聞かれます。IT用語関連のサイトによると、「ユーザーの手で自由に分類する思想(はてなブックマークなど)」「ページ上での直感的操作(google mapなど)」「ユーザー体験の蓄積をサービスに転化(Amazonレビューなど)」「ロングテイル(google adsenseなど)」「ユーザ参加型(ブログなど)」「進歩的性善説(wikipediaなど)」「進歩的分散志向(winnyなど)」といった特徴を含んだ新しいウェブのスタイルを指すということです。

全7回のワークショップでは、佐々木俊尚さん(フリージャーナリスト、ブログ「ジャーナリストの視点」)、毎日新聞記者の元村有希子さん(理系白書ブログ)、歌田明弘さん(フリージャーナリスト、ブログ「歌田明弘の『地球村の事件簿』」)、松浦晋也さん(フリージャーナリスト、ブログ「松浦晋也のL/D」)などを招いて開かれる予定です。

私は正直、web2.0と、それまでのウェブとの違いというものを実感として感じられないでいます。今後のワークショップでどこまで実感が伴うか、迫っていこうと思います。
| - | 20:31 | comments(0) | trackbacks(1)
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sci-tech.jugem.jp/trackback/297
トラックバック
-
管理者の承認待ちトラックバックです。
| - | 2007/02/22 7:29 AM |
CALENDAR
S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< July 2018 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで (JUGEMレビュー »)
サイモン シン, Simon Singh, 青木 薫
数学の大難問「フェルマーの最終定理」が世に出されてから解決にいたるまでの350年。数々の数学者の激闘を追ったノンフィクション。
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT TRACKBACK
amazon.co.jp
Billboard by Google
モバイル
qrcode
PROFILE