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それぞれの理由を抱え、昼も夜も断食


地球上には、「昼間になにも食べない」という生活と、「夜になにも食べない」という生活が同居しています。その対照は鮮やかなまでですが、背景となっているものは、表面的には大きく異なります。

昼間なにも食べない生活があるのは、イスラム圏です。

イスラム教徒の人びとは、だいたい一年に一度の頻度でラマダンとよばれる断食を行います。今年2012年は、西暦でいう7月20日から8月18日まで行われました。ちょうどロンドン五輪と重なっていたため、イスラム圏の国の代表選手は苦戦を強いられたと伝えられます。

いっぽう、夜になにも食べない生活があるのは、日本などの国です。

ダイエットに励んでいる人びとのなかには、“夜断食ダイエット”をおこなっている人もいます。昼間はふつうに食べてもよいけれど、夜になると食べることを絶つ、といったダイエット方法です。

敬虔な宗教の規律からなるラマダンは昼の断食。効果的と口コミで広まったダイエット法は夜の断食。時間帯が対照的であるということのほかに、べつの側面でも対照的な意味をもっていそうです。

むかしから人類は、なるべくエネルギーを自分の体のなかに蓄えて、エネルギーが枯渇したときにも耐えられるように努力してきました。すくないエネルギーでも生きのびるためです。

この点からすると、昼の断食のほうが生きるうえでの利点は多いのかもしれません。夜に食べるほうが脂肪を蓄積しやすいことが、さまざまな学説から支持されています。夜断食ダイエットが効果的であるとする論拠も、夜の食事は太るので避けるべきといったことから来ているようです。

いっぽうで、現在の美容がどこに価値を置いているかという見方からすれば、夜の断食のほうにも利点を見出せそうです。世界全体で見れば、太っている人よりは痩せている人のほうが、魅力的であるという文化が隆盛です。そのため、昼に食事をしないで夜に食事をするのでなく、昼に食事をして夜に食事をしない人がいてもおかしくはありますまい。

宗教的な理由から昼に断食をする人も、美容的な理由から夜に断食をする人も、どちらも人として生きるうえでのまっとうな理由をもっているわけです。人がなぜそれをやるのかの理由はさまざまです。
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