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「運動後、遅れて痛みがやってくる」しくみは未解明


五輪に出場する選手にはあまり起きないでしょうが、一般人が激しい運動をすると翌日や翌々日に筋肉痛が起きることがあります。

運動をしているときも、たとえば走るのを続けていれば、筋肉や関節が痛くなることがあります。テレビ番組の企画で24時間にわたり走らされる芸能人の足どりが重くなるのも、走っているあいだに痛みがたまるからでしょう。

しかし、走り終えたあと、ふだんの生活に戻ってから、またべつの筋肉痛がやってきます。この痛みには「遅発性筋肉痛」といったよび名までついています。齢をとった人ほど、遅れてやってくるともいわれ、巷ではいつ痛みが来るかが老化の尺度にも考えられています。

なぜ、筋肉痛は遅れてやってくるのでしょうか。

じつは遅発性筋肉痛のはっきりしたしくみは解明されていないといいます。

有力な説としてはあるのは、運動からしばらくしてやってきた白血球が関わるというもの。まず運動をします。すると筋をなす筋繊維が傷つきます。筋繊維そのものには痛みを脳に伝える痛覚がありませんが、しばらくすると傷ついた筋繊維を放っておけないと、白血球が集まってきます。そして、白血球は傷ついた筋繊維を処理していきます。

そのあと、筋繊維の傷ついた部分は元に戻されなければなりません。そこで、からだは細胞を集めるべく、サイトカインという化学物質を出します。このサイトカインが「筋肉をこれ以上は酷使しないでちょうだい」というサインを発します。これが、遅発性筋肉痛の痛みといわれます。

この説では、齢をとるほど痛みの到来が遅くなるのは、老化するほど血のめぐりが悪くなり、白血球の集まりが鈍くなるからとされます。

ほかに、激しい運動によって活性酸素が増えて、この活性酸素が体を傷つけているといった説もあります。

いずれの説であってもいえるのは、この痛みは「これ以上は運動をしないように」というからだからの信号だということです。いくら痛みが遅くやってくる人でも、痛みの頂点は運動から72時間後まで。1週間も経てば完全に痛みはなくなります。痛みがなくなったら、ふたたび運動をするときとなります。

参考文献
神田和江「伸張性運動における遅発性筋肉痛と筋損傷マーカー、炎症関連指標の変動」
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