科学技術のアネクドート

<< いまをよく知っているから「激動の時代」 | main | 『137億光年の宇宙論』発売 >>
「ガラク」のやわらかチキンレッグと野菜スープカレー――カレーまみれのアネクドート(39)


「札幌とカレー」といえば「スープカレー」を連想する人も多いでしょう。ルゥに小麦粉や油などでとろみをつけることなく、さらさらとしたスープ状のルゥと具材をおわんのなかによそいます。

1970年代に札幌で誕生したというのが定説。何度か全国的なブームも起きました。ブームが起きれば、スープカレーを出す店の数も増えるもの。小麦粉や油を抜いただけの、形式的なスープカレーなども出てくれば、「店で出すスープカレー全体」としての質は落ちてしまうことになります。

しかし、本場の札幌には「さすが本場」と客をうならせるようなスープカレー専門店もあります。

札幌の歓楽街すすきのの交差点から北に1ブロック、東に2ブロック行ったところにあるのが、札幌スープカリー専門店「ガラク」(GARAKU)。店は2階だてのたてものの2階。スキー場のロッジにあるような幅のせまい木の階段をのぼって店に入ります。

扉をあけた瞬間ただよってくるのは、香辛料を焦がしたような香ばしい空気。カントリー調で統一された店内の雰囲気とあいまって、はじめて訪れた客に期待を抱かせます。

上の写真にあるのは、「やわらかチキンレッグと野菜」。黒い陶器の皿には、熱のこもったカレースープ。それに、にんじん、じゃがいも、れんこん、キャベツ、パプリカ、ブロッコリーなどの野菜。さらに骨つきの鶏肉がまるごと入っています。

スープのなかにまぎれているのは黒い粒々。店内にただようスパイスをこがしたものなのか、たまねぎや香草を炒めたものなのか、味にコクが出ています。

しかし、ガラクのスープカレーの味の驚きは、その先に待っています。なかでも舌と鼻に大きな衝撃をあたえるのは、鶏肉とブロッコリー。具材としてただスープのなかに入っているのではありません。どちらも“味の二段構え”があります。

まず鶏肉。手間暇をかけて、香草で味付けをしているのでしょう。辛いカレースープとはまたべつの香ばしい風味が口のなかに広がっていきます。

さらにブロッコリー。カレーのなかのブロッコリーといえば、脇役であることがほとんど。このスープカレーでも見た目は脇役です。

しかし、客はこのブロッコリーを口に入れたとたん、ただの脇役ではないことに気づきます。なかには、ブロッコリーを食べた瞬間「あっ!」と思わず感嘆の声が口からもれでてしまう客もいるほど。

ブロッコリーは素揚げされているようです。もし、味に「こんがり」という表現が使えるならば、まさにこのブロッコリーのしあがりは「こんがり味」。カレースープの辛さがしばし脇にやられてしまうほどの強烈な風味です。

しかし、それだからといってカレーの味のなかでこのブロッコリーの味が浮いてしまうわけではありません。

ガラクの店員たちは、スープカレーという食べものに対して、研究に研究を重ねてきたのでしょう。店にただよう香ばしい空気で沸きおこる期待をけっして裏切りません。「さすが本場」と客を驚かせるスープカレーです。

ガラクのホームページはこちら。
| - | 23:06 | comments(0) | trackbacks(0)
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930   
<< September 2020 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで (JUGEMレビュー »)
サイモン シン, Simon Singh, 青木 薫
数学の大難問「フェルマーの最終定理」が世に出されてから解決にいたるまでの350年。数々の数学者の激闘を追ったノンフィクション。
SELECTED ENTRIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
amazon.co.jp
Billboard by Google
モバイル
qrcode
PROFILE