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「エムシー・カフェ 丸の内オアゾ」のビーフカレーライス――カレーまみれのアネクドート(34)


欧風カレーを出している洋食屋や喫茶店のなかには、ハヤシライスを献立に並べているところがあります。

「ご飯にソースをかける」というかたちが似ていることから、カレーライスとハヤシライスは比べる対象になりがち。そして、たいていの店では、カレーが主役を貼るのに対して、ハヤシライスは脇を固める役に回ります。

そんななか、書籍や高級舶来品の店として丸善のカフェでは“逆転現象”が起きています。東京・日本橋の旧本店や、丸の内の新本店のカフェでは、献立表の最初に写真とともに紹介されているのが「早矢仕(はやし)ライス」。

「早矢仕」とは、丸善の創業者である早矢仕有的(はやしゆうてき、1837-1901)の名字。ハヤシライスは、この早矢仕が丸善ではたらく丁稚にふるまった料理だったという説があります。丸善としては、“ハヤシライス発祥の地”を全面的にアピールしようとしているわけです。

そのため、マルゼンカフェにおいては、カレーライスは珍しくも、ハヤシライスの脇を固める役まわり。献立表には「早矢仕とカレーの2色ソースライス」や「早矢仕とカレーの2色オムライス」といった、調和的あるいは呉越同舟的な食べものもあります。

とりわけハヤシライスをおすすめしているカフェで給仕されるカレーライスはどのようなものでしょうか。丸の内本店4階のマルゼンカフェ入口のショーケースには「オリジナルビーフカレーライス」のサンプルが置かれていません。献立表に載っているのみです。

しかし、ハヤシライスを押し出す店だからといって、カレーライスにもぬかりなし。皿に楕円形に盛られたライス。ライスの上には、小さく刻まれたパセリ。そして、上品にかかるカレーのルゥ。

野菜はルゥに煮込まれていて、ほとんど姿が見えません。そのぶん、自己主張しているのが牛肉。丸い皿、丸く入れられたルゥのなかに、四角いかたちで5つほど入っています。

味は、カレー粉の辛さよりもソースの上品さが上回ります。ご飯の量とソースの量の比率もちょうどよいくらい。そして牛肉はかなり固めで、しっかりした歯ごたえがあります。

「主役はハヤシライス」と、“運命づけられた店”で、カレーライスはしっかりとその存在意義を保っているのでした。

「M&C Cafe 丸の内オアゾ」の食べログ情報はこちら。
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