科学技術のアネクドート

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役に立つ基礎科学(2)
役に立つ基礎科学(1)



「基礎科学は役に立たない科学」でしょうか。けっしてそんなことはないと思います。

『トリビアの泉』という、知っていても役に立たない無駄な知識を紹介する番組がありますね。あの番組を観察すると、生物学や物理学などの基礎科学を扱ったトリビアがなんと多いことかということに気づきます。たとえば、コカ・コーラは斜めに立たせることができる、など。

「役に立たない」と思われがちな基礎科学がたくさん紹介されるこの番組は、ご存知のように毎回高視聴率。週1回のあの番組を楽しみにしている人は多いでしょう(私もそのうちの一人)。

また、基礎科学の代表的存在である天文学に目を向けてみると、アマチュアの天文ファンはたくさんいます。新しい星の発見があるたびにわくわくしたり、性能のよい望遠鏡が送ってくるカラー写真にドキドキしたりして、天文雑誌を買いに走る人もいると思います。

これらのように、人々に楽しみや笑い、潤いを提供してくれる科学が「役に立たない科学」かと言えば、けっしてそうではない気がします。これらの科学は、広い意味での「福祉」に大いに役立てられているのですから。

少なくとも、『トリビアの泉』の視聴率が高ければ、それだけテレビ局やスポンサーは利益を得ることができるでしょう。また、新しい星の発見のニュースにより、天文雑誌の販売部数が伸びれば、不況の続く出版業界にとってはうれしい話です。基礎科学が経済を潤す例です。

人には何かを知りたいと思う欲(知識欲)が常にあって、基礎科学がその欲を満たしてくれるのであれば、それもまた「役に立つ科学」の一つということはできないものでしょうか。(了)
| - | 08:49 | comments(2) | trackbacks(0)
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コメント
漆原さんがおっしゃっていること、とてもよく分かります。
「国家百年の。。。」
という言葉を思い浮かべたことはありませんでしたが、
腰を据えてじっくり物事を考える基本的な姿勢はいつになっても
忘れたくないなぁ、とこの記事を読んで思いました♪
| きょろいち | 2006/07/15 7:36 AM |
きょろいちさん、こんばんは。

基礎科学分野は、国からの科学研究費などの予算面でも肩身が狭くなるばかりと言われていますが、せめて、基礎科学研究者が誇りをもって研究を続けていってほしいと思っています。

毎度コメントありがとうございます。
| 漆原 | 2006/07/15 11:03 PM |
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